カテゴリ: 大人の嗜みガイド

インスタレーションとは?

そもそもインスタレーションとは何なのか?これは現代美術における表現手法の1つで、特定の空間にオブジェ・装置を置くことで作家の考え・意向を表現し、その場所や空間全体を作品とするもの。映像や音楽を活用したインスタレーションもあり、空間そのものが作品であるため、ユーザーが”体験する”アートとなる。したがって、通常の絵画作品の展示会のような、美術館の世界観はそのままに、壁に作品が並び鑑賞する、というスタイルではない。美術館の入り口としては変わらずも、一歩踏み入れれば、展示会によって全く異なる世界に入り込むことになるのである。そこでの体験はまさに非日常だ。
このインスタレーションという手法が、最近は非常に増えてきており、作家の表現に無限の可能性を与えているし、体験するユーザー側も作品に込められた背景を頭で理解するというよりも、身体で感じることになり、よりアートの深みをダイナミックに、しかしシンプルに捉えることができる。


美術家ではなくデザイナーとしての表現

吉岡徳仁氏について、まずはじめに認識しておかなければならないのが、彼は美術家ではなくデザイナーである、ということである。彼は桑沢デザイン研究所を卒業の後、倉俣史朗・三宅一生のもとでデザインについて学んだ後、自身の事務所を立ち上げている。2007年のNewsWeek日本版にて「世界が尊敬する日本人1,000人」に選出される等、世界的に有名な日本人のうちのひとり。彼の作品は、最近で言うと清澄白河の東京都現代美術館で展示される等、一見アートの世界・美術家と思うのが自然な流れだが、デザイナーとして活動している点で、通常のアートとは一線を画すファッション性を持った表現が特徴的だ。その活躍の場は、デザイン、アート、建築、インスタレーションと幅広い。


その活動は名だたるファッションブランド・メーカーと多岐に渡る

「世界が尊敬する1,000人」に選ばれるのも納得がいくほど、その活動範囲は幅広くグローバルだ。世界のSWAROVSKIショップのコンセプト設計や、HERMES・BMW・LEXUSの空間デザインなどを手掛ける。また、経歴でもあった三宅一生のISSEI MIYAKEのショップデザインは20年以上と長い間取り組んでいる。また、そういった空間軸での活動以外にも、椅子や携帯電話のデザイン等、プロダクトデザインも手掛けているという一面も。そういったデザイナーとしての活動がゆえに生まれる作品は、アートとしても他の美術家とは一線を画すものなのだ。

空間の中で輝く静と動の世界

そのような経験・経歴から、美術館で展開される吉岡徳仁氏の作品はどこかエグゼクティブファッションのクリエイティブを想起させる。ここからは個人的な解釈の域を出ないが、ファッションの世界はパリコレ等のファッションショー以外では基本的には”静止画”の世界。ファッションは、人が服を着て、身体を動かすことではじめて”動画”の世界に転換されるわけだが、クリエイティブにせよ店舗における販売にせよ、基本は”静止画”で構成されているという理解だ。その世界と経験が、吉岡徳仁氏のアートや建築にも反映されているのではないだろうか?
たとえば、以下は彼のインスタレーションの一部であるが、いずれも静止画としてのアートと、動画としてのアートを含んだ作品であると感じる。

いずれの作品も静止画としても完成されつつ、躍動感やうねりを感じ得る作品。いずれの作品も細かく繊細な描写がなされており、そこに立った者を優しくどっぷりと浸らせる。彼のデザインへの考え方としてのインタビュー記事があるため、こちらでご紹介したい。

私がデザインで一番必要としているのは、物質ではなくて、人に与える感覚そのものだと思っています。視覚的なものだけではなく、音や香り、動きや光といった人が感じるあらゆる感覚が、デザインの要素になるのではないかと思います。 それがあることで、その場所の空気感さえ変えてしまうような、科学的な数値でははかれないものです。そういうものこそが、自分のなかでは表現したいものだったりします。

引用: openers.jp


今度は茶室をデザイン、独自の世界観で概念を超えていく

今年2015年4月、吉岡徳仁氏は京都の将軍塚青龍殿に”ガラスの茶室ー光庵ー”を展示。茶室という、かつて敷居が高く特定の人間しか足を踏み入れることができなかった空間をガラス張りにし、その様を外からも窺い知ることができる。しかし、何をしているか見えない茶室以上に、この光庵は「茶を飲む」という行為をより崇高なものに昇華したように思える。何故なら、周りは観光客に溢れているという”動画”の中で、光庵だけは時間がゆっくりと過ぎ、厳かな空間が構築されている、いわば”静止画”の世界ということが、この対比でより目の前に飛び込んでくるからだ。


今後の活躍に注目しよう

今年はミラノで新作を発表したばかりの吉岡徳仁氏。今後の活動は公式サイトでは明らかにはなってないものの、今年は短期間でミラノ・京都で作品を発表するなど今年の活躍からも目が離せない。
ACCETORY編集部ではその情報をキャッチ次第、見所や解釈について迫っていきたく思う。

7/2、佐賀・佐賀県立美術館で九州初の個展開催(2015,06,22更新)

『吉岡徳仁展ートルネードー』

この度、佐賀県の佐賀県立美術館にて『吉岡徳仁展ートルネードー』の開催が決定。彼は佐賀県出身でもあり、凱旋個展となる。
「TORNADO(トルネード)」をはじめ、紙の椅子「Honey-pop」、パリのオルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ「Water Block」、自然構造によって生み出された結晶の椅子「VENUS」などこれまでの代表作が集結される。
観覧料は無料なため、是非足を運んでみてほしい。

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編集部 羽田裕明

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