カテゴリ: 大人の嗜みガイド

セグウェイに対しての、筆者のホンネ

セグウェイ。貴方はこの乗り物に対してどんなイメージを抱いているだろうか。
出鼻をくじくようで悪いが、私はセグウェイに対してある偏見を持っている。それはつまり『シュールで面白い』という偏見である。


サイドに設けられた二輪のタイヤ、地面に対し垂直に伸びる棒の先には人が操作をするためのT字のハンドルが生えているこの機械。人が直立不動で乗り込んでススーッと移動している様がちょっとツボなのである。
いや、面白味を感じる人間は少ないのかもしれないが、個人的にはこの珍しい乗り物を、見慣れないが故に奇異の目で捉えてしまうのだ。

珍しいし面白い。それ故に俄然興味の度合いも強い。興味の度合いは強いのに、街中で見ることがとにかく無い。
2000年代初頭に現れたこの乗り物はこの10年、いや発表からカウントすればもう15年、どうしてこんなにも普及しないのだろうか。問題には常に原因がある。その原因は一体どこにあるのだろう?

この問題を放置しておくということは、生まれてから15年良いことなしのセグウェイがかわいそうである。
私は最初、その奇怪なフォルムデザインに問題があるのではと仮定した。
理にかなっているはずなのに心に響かない、コレジャナイ感が漂っている。それこそがセグウェイを不人気たらしめているのではないか。


やはり皆、そんなに他人から奇異の目で見られるのが嫌なのだろうか?(注:私は嫌だ)

ちなみにセグウェイという名前は商品名で、これらはパーソナルモビリティと呼ばれる人間の歩行を助ける次世代の乗り物であるとされている。

出典: www.toyota.co.jp

トヨタの手がけるパーソナルモビリティ、Wingletはなかなかスタイリッシュな形状。
これならかなりシュールさは薄れる。
やっぱりデザインの問題だったのか……。

自転車―それはセグウェイ最大のライバル―

photo by Dan Brown(on flickr)

由緒正しき英国紳士の乗り物、ペニーファージング
自転車もこのような形のものがあったのだから、セグウェイ、ひいてはパーソナルモビリティのデザイン云々に関してはいずれ洗練されていくことだろう。

セグウェイが普及しない理由はフォルムだけの問題でない。
その普及に歯止めをかけている原因としてセグウェイ同様に二輪駆動、しかも人力で、低コスト、速度もより速く出すことが出来る乗り物が我々人類の傍にはある。

そう自転車だ。
かの文明の利器のおかげでセグウェイはいまだ市民権を得ない。
「環境にやさしい近距離圏の車」という触れ込みで売り込まれたセグウェイだが、その権利はそもそも自転車が持っていたのだから、後から出てきたセグウェイに立つ瀬が無いのも仕方がない。

何より決定的なのは、日本においてセグウェイの公道での使用は禁止されている点だ。
道路交通法に基づくと、セグウェイは普通自動二輪車であると判定されるらしい。にもかかわらず急制動のためのブレーキや灯火装置、ナンバープレートを搭載してないため、一般的に公道での走行が許されていない。
そのため、何食わぬ顔で一般道をセグウェイで移動していると整備不良車両として捕まる。


従来ではつくば市などでのみ警察の認可が下りた場合に公道での使用が可能で、その用途はおろか場所さえも限定的であったが、晴れて2015年7月、道路運送車両法の施行改正により全国で公道での走行実験が可能となった。
無論警察などに申請が必要なのは変わらないのだが。

これから先、きちんと法律をクリアすることが出来れば、セグウェイはより一般的な乗り物になるかもしれない。

最新型セグウェイのスペック

i2(基本モデル、警備向けパッケージ、工場・物流向けパッケージ、一般業務向けパッケージ) 標準タイプ。第二世代のi2からより直感的な操作が可能なLeanSteerというステアリングシステムを搭載。体重の移動だけで左右への方向転換が出来るようになった。約8時間の充電で走行距離は約40km、最高時速は20km。

引用: ja.wikipedia.org

ちなみにこの最新モデルのi2のお値段はおよそ1,000,000円
ホームセンターで買える自転車なら200台は優に買うことが可能だ。
何なら原付やバイクを買っておつりが来る。
重心を感知して作動するセンサーが付いていることやバッテリー駆動であることを鑑みれば、その価格も納得なのかもしれない。需要も少ないため高価格になっているという側面もあるだろう。

はるかに便利なものが安い値段で売られている上、公道の走行が不可能とあれば、一般に普及しないことも納得である。

セグウェイに残された未来とは

目的の場所に迅速に到着する、という評価基準でのみジャッジすることがそもそも、セグウェイにとって分が悪い。
彼には彼なりの良さがきっとあるはずだ。
それは例えば20km/h以下の速度でしか為せないことである。

セグウェイの一つの利用実績としてイベント会場、施設の巡回警備がある。

これらの場所で使われる理由は、旋回性能に優れているために小回りが利きやすいこと、そして20km/h以下の速度だからこそ為せる、視野の広さである。人間は静止しているときでこそ、200度もの視野を有しているが、速度が上がるにつれ認識できる範囲が狭くなる。それは自転車においても、セグウェイにおいても同じことだが、最高速度が決まっているセグウェイは歩くよりも早く、そして自転車よりも余裕を持って周囲に気を配ることが出来る乗り物であり、ニッチな需要に応えることが出来るのである。

またあるところではハンズフリーのセグウェイ(実際はセグウェイとは別のパーソナルモビリティ)を用いてサッカーの試合を撮影した例もある。大仰にカメラ用のクレーンを動かさずとも、ある程度固定されたカメラで試合の模様を追いかけることが出来る。不慮の事故による選手との衝突や高価な機材の破損が危ぶまれるが見当の余地はアリである。

出典: www.dailymail.co.uk

セグウェイなら軍事利用も可能……?
来る北京オリンピックのために演習に励む、真剣極まりない中国のテロ対策部隊の方々。
コラ画像ではない。
大きなテロが起こることなく終わった北京オリンピック。幸か不幸かセグウェイ部隊が出動するまでもなく閉幕となった。
セグウェイがテロに対して実際どの程度効果があったのか。その真相は闇のままだ。

一般市民が利用することよりも、よりニッチな需要に応えることが出来ているようだ。
良かったな、セグウェイ。ちゃんと世の中の役に立っているのか!

ここまでセグウェイについて考えていると、なんだか一度だけでも乗ってみたくなる。
お家の庭みたいな場所でしか走ることを許されていない乗物に1,000,000円はかけられないが、レンタルであればレジャーのついでにセグウェイすることも気軽に出来る。
驚くことに、日本でセグウェイを体験できる場所は意外と少なくない。
予約などの手続きが事前に必要になるが、気になる人は是非試してみよう。

実は筆者も偏見のきらいが薄れ、試してみたくなった。周りの目を気にせずセグウェイに取り組みたい。

法改正により、徐々に民間利用に現実味が帯びてきたセグウェイ。
ストリートを駆ける一つの選択肢として、ボードでも自転車でもなくセグウェイ、となる日が来るかもしれない……!

thumbnail photo by Wesley Fryer(on flickr)

関連タグ

タグから記事を探す

 次の記事へ 
編集部 岡田悠吾

ウイスキーが深まる季節がきました。

RANKING

最近人気の記事ランキング

RANKING

RECOMMEND POSTS

ACCETORY編集部おすすめの記事

THE BEST POSTS

過去に人気を集めた記事をピックアップ

THE BEST POSTS

NEW POSTS

最新の記事一覧

NEW POSTS

特集

ACCETORYおすすめの特集

特集一覧

TAGS

タグから記事をさがす

TAGS
TOP