カテゴリ: 大人の嗜みガイド

時計×服飾+GIFT = eimeku

eimekuは、白楽駅からほど近い小道にある「GIFT」をコンセプトに掲げたセレクトショップだ。カフェや飲み屋などが立ち並ぶ通りの端っこに、陽光を浴びて佇んでいる。
ここは30代の男女をメインターゲットに据えつつ、学生や年配の方にも愛される温かなお店だ。
日本のアイテム、西洋からのインポートやアンティークのアイテムをメインで取り扱っており、雑貨、家具、服、アクセサリーと、その店内いっぱいにハイセンスな商品が賑やかに配されている。
今回取材で使わせていただいた2Fの方は在庫の都合上、現在お休みの時期。(※取材時期は7月初旬。)
秋冬に向けた海外からの買い付けが終わると1F同様また賑わいを見せるのだとか。

今回は、そんなこれからの時期に向けて目が離せないeimekuからオーナーの小平氏にお話を伺った。
小平氏はもともと働いていた神戸で時計の小売業から独立し、服飾と時計をMixさせたラインナップを取り扱うeimekuを立ち上げた。
個人店は、流行を作る、流行に乗るといった大手のファッションブランドが出来ることに沿っていては潰れてしまう。
だからこそ、アンティークというどんな年齢層でも確実に憧れるような商品を置くことにしたのだとか。
実際、自分自身へのご褒美や誰か大切な人へのプレゼントを求めて、広い層の人々がeimekuを訪れるという。

アンティークは生まれ変わる。それに付随する情報を脱色する。

「アンティークってほぼ一点ものなんですよ。だからこそ、贈り物としてぴったりだし、何より現代とは違うセンス、技術でものを作っている。やっぱりそういうものってかっこいいですよね。


小平氏がアンティークについて語る時のその「目」は無邪気に輝いていた。

「見る人が見れば、どんなにいいものか分かりますしね。」

eimekuでは、アンティークの値段を相場や年代特定に左右されずに設定している。
あまりにも有名な物であれば別だと言うが、モノの背景を重視するよりも、今見て良いと思えるかを大切にしているという。

アンティークともなれば、どんな使われ方をしていたとか、誰に贈ったものであった、というようなストーリーがあるのでは?と質問すると、

「そういったことは買い付けの時に考えないようにしてます。お客さんが色々あれこれ考えてくれればいいかな、と。」

たとえば、アンティークウォッチ。
革のベルトの風合いや、盤面を守るガラスの小さな傷。
遠く昔の愛用者に思いを馳せるのもロマンチックだが、「お客さんに任せる」という小平氏の考えに触れてみると、
誰かに気に入られることで新しい物語を始めていく小物たちに、昔あった物語はそこまで必要ないのかもしれないのでは。
なんて思えてくる。

世の中では、古いブランドの珍しい時計に大層な値をつけて売ることもしばしばある。
けれど、それは本当にその時計の価値なのであろうか。
膨れ上がった情報をある程度脱色させて物と向き合うというスタンスを取る小平氏。
それは物と真摯に向き合うことなのだろう。

良い物を選ぶためには。

eimekuに並ぶアンティークの商品は、海外での買い付けで仕入れる一点ものばかりだ。
最初から海外の買い付けを考えていたかと言えば、実はそうではなく、

「最初はもう個人的な旅行でヨーロッパに行ってました。それがだんだん、仕事メインになってしまった感じです。」

最初は各地で開かれる蚤の市を中心に見て回ったという。時にはあまり良いものが得られず、頻繁に海外へと買い付けに行くこともあったとか。

「買い付けで良いものに出会えるかは本当に一期一会ですね。手探りで初めて6年くらいかかって、色々なルートが分かるようになってようやく軌道に乗りました。」

海外への買い付けは、オーナーの小平氏自らがやっているらしい。
他に一名ほどショップ内から同行してもらうとのことだが、完全に男性だけで買い付け旅行を決行する。それに反して、買い付けられたアンティークのジュエリーやアクセサリーは実に女性的でかわいらしい。
小平氏はどのようにして、男女の垣根を越えて良いものを選ぶその「目」を養っているのだろう。

それはもう、その人のセンスによりますね。第六感と言うか。そればっかりは教えることは出来ないし、よく周りを観察して日々をどう生きるかということですよね。

持前のセンスが前提にあるとしても、その選択には色々な物事を観察し、考え、分析することが大切なのだという。
その感覚こそが小平氏の武器であり、eimekuらしさを創り上げている何よりも大切な要素なのであろう。
その感覚、「目」は、決してブランドのイメージにとらわれることの無い確固とした判断基準だ。
本当に良いもの、好きになれるものとは何なのか。今一度自分の胸に問いたくなってくる。

良い物を選び、共に生きていくために。

ただ目の前の情報や、新しいものに目を向けてしまっていることだけがファッションのあり方なのであろうか。
流行に乗ること。ブランドにあこがれること。それらはファッションの醍醐味であるかもしれないが、本当に好きだと思える質の良い「物」を大切に扱うこととは別の次元にある。

現代とは違うセンス、技術でものを作っている。やっぱりそういうものってかっこいいですよね。

そう語る小平氏のように、自分の目で良いと思ったものを選び大切にするということが、本来あるべき人と物の関係なのではないだろうか。
流行に流されることなく、己が心の赴くままに「物」と向き合うこと。
それは長い人生の、ずっと続いていくお洒落において必要なことだ。



我々(少なくとも自分)はこれらの「物」を作る創り手ではない。
だからこそ、「物」を見極める「目」だけは持っていたいものである。
情報と言うものばかりに囚われず、目の前にある物を自分の感性で評価し、傍に置ける人間でありたい。

■今回取材にご協力頂いたeimekuの公式サイトはこちら

eimeku公式サイト

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編集部 岡田悠吾

ウイスキーが深まる季節がきました。

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