カテゴリ: お酒に合うフード

そもそもビストロとは

ビストロとはもともとはフランスの大衆食堂のこと。現地ではかなりカジュアルなもので、例えば「カスレ(豆のシチュー)」や「パテ・ド・カンパーニュ」といった郷土食の強い家庭料理をワインとともに提供するところを指す。
日本でいえば居酒屋くらいの意味合いだろうか。(チェーンではなくて土地に根付いたようなものをイメージしてほしい)

このビストロというフレンチの形態がいつから日本で聞かれるようになったのかは定かではない。私が初めてこの単語に接したのはテレビ番組「スマスマ」のなかの「ビストロ・スマップ」というコーナーであった。
もちろん今考えると、「ビストロ・スマップ」はどう考えてもビストロではないのだけど、なんにせよこの番組が「ビストロ」という単語の知名度普及に果たした役割は大きいのではないだろうか?

そんな「ビストロ」、これまで日本において高嶺の花だった「フレンチ」を身近なものにした一方で、粗製乱造のきらいがあって、必ずしも質が安定しているわけではないという欠点もあり、なんとも評価がつけにくい立ち位置にある。


コツその1 -ちゃんとビストロであること。

そんな当たり外れの多いビストロにあって、まず押さえておかなければならないのは、その店がちゃんとビストロであるか否かだ。

ちゃんとビストロであること、という条件を守っているビストロって意外とないのだ。
ビストロじゃないビストロは大まかに

①ワインバー(バル)に毛が生えたようなもの
②ビストロのくせにフレンチじゃないもの

の2種類に分けられる。(①の「ワインバーに毛が生えたようなもの」もフレンチではないけど)

①に関して、ワインバーの類は安くワインが飲めるので僕もよく使うのだけど、ビストロの看板を掲げておきながらワインバー並みの食事が出てくると少し残念な気持ちにならざるを得ない。
そもそもワインバーは、バーという名の通りワイン主体のものであって、食事も主体になっている「BISTRO」とは根本的に異なるものだと思っておくべきだろう。

また、昨今のビストロ流行に伴って「和食ビストロ」なるものがあらわれたり、「お前それオステリア(イタリア版ビストロ)だろ」みたいな店が結構あったりして、それが②の「ビストロのくせにフレンチじゃないもの」なのだけど、ビストロ熱にあやかろうみたいなところがあって好きではない。

「おいしければいいじゃん」っていう意見は一理ある。
でもビストロかと思って入ったらパスタやらカルパッチョやらがメニューに並んでいる、というのは割烹だと思ってはいったら麻婆豆腐がでてくる、みたいな残念さがあると思うのだ。

ちなみにフランスで食べるイタリアンがまずいのは有名な話。離乳食のようにのびたパスタが提供されるという。(ステーキのつけ合わせがパスタであることもある)

ちゃんとビストロであることを見分けるのはそんなに難しくない。
店頭にあるメニューをみて「しっかりフレンチしてるなあ」という感じがすれば高確率であたりだ。
フレンチの食材や調理法が、まるで呪文のように複雑なのはよく知られた話だけど、逆にそうした呪文みたいなメニューが並んでいれば、「ああ、ここのシェフはしっかりフレンチの訓練を受けたんだな」とわかるのである。

コツ2-ワインリストがしっかりとしている店を選ぶ

ワインをおいていないビストロなんてないとは思うのだけど、ワインの選択肢がそんなにないビストロというのは結構ある。
そもそもフランスにおけるビストロはワインに重点を置いたものではないのだが、そこは水の代わりにワインを飲むフランス人、重点を置いていないなりに重点を置いているのだ。

だからしっかりとしたワインリストがあるビストロ(これも店頭のメニューでみられることがおおい)を選ぶのも一つのコツだ。
個人的に、3000円くらいのテーブルワインから15000円を超えるような高級ワインまで置いているところは、当たりが多い気がする。
ワインの層の厚さは、ビストロだけではなくて、トラットリア、オステリアあたりの良し悪しを判定するのにも使える。
テーブルワインだらけだったらワイン居酒屋だし、ハイエンドばかり並んでいたら、それはつまるところ高級店なのである。
適度に安くて十分においしい、というのがビストロの魅力なので、ワインの層の厚さはしっかりビストロしていますよ、という表れでもあるのだと思う。

コツ3 -ネオビストロ、を選んでみる。

最近ネオビストロ、ないしはビストロノミーと呼ばれるビストロが、ビストロの本国フランスで大きな注目を浴びている。
ミシュラン星付きレストランでしっかりと修業を積んだような名だたるシェフが、しかしかしこまったグランメゾンではなく、ビストロのようなカジュアルな雰囲気、値段で美食(ガストロノミー)を提供する、というものだ。

「俺のフレンチ」あたりが似たようなことをしているのだけれども、ネオビストロやビストロノミーとよばれるビストロたちは、さすがにもっと本格的。
ここ日本でも、結構お店が出てきていて、これから主流になっていくんじゃないかな、と思っている。
ビストロくらいの価格、とはいえさすがにビストロよりは幾分値段が高い。ディナーでコース価格6000円くらいが相場である。(フランスではもう少し安いらしい)

東京だと、表参道に2015年7月にオープンした「& éclé(アンドエクレ)」や、同じく表参道の「ル・プレヴェール」、恵比寿の「ビストロ間(銀座に移転するらしい)」あたりが有名であろうか。

とはいえ……

とはいえ、人の好みは千差万別。良い店と旨い店が常に一致するわけでもないし、結局のところ正解はないのであろう。

でも今回紹介した三つのポイントのどれかをしっかり押さえていれば、ガックリとくることはないと思う。

もし街中でビストロを見かけたら、私がいったことを思い出して「ここはちゃんとおいしいお店かな」って考えてみてほしい。

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編集部 三宅隆平

脳髄を置いてきぼりにして走る

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