牡蠣にはやっぱり白ワインなのだろうか? -高円寺の牡蠣小屋で牡蠣食べまくりながら考えてみた。

冬といえば牡蠣!! 今回は高円寺の牡蠣小屋で牡蠣を食べまくりながら白ワインとの相性を考えてみた。日本酒が好きな人も、もちろんワインが好きな人も、読んでみてほしい。

舞台は高円寺牡蠣小屋。

牡蠣が食えればどこでもいい、というわけではなかった。
そもそもの目的からして、単に牡蠣を食うだけではなく、牡蠣と白ワインの相性について熟考してみるというところにあったのだ。お店のワインリストに身をゆだねるのではなく、我々自身の選定したワインを牡蠣と共にいただきたい。
そこで候補に挙がったのが高円寺の牡蠣小屋だ。

JACK POT ジャックポットプランニング

オイスターバーの雄であるジャックポットが運営するこちらの牡蠣小屋、なんと酒類の持ち込みが可能なのである。しかもどれだけ持ち込んでも一人当たり600円という格安。

3,000円ちょいで焼き牡蠣の食べ放題があるというところもポイント……だったのだけど、実際に注文しようとしたら「2日前までの予約が必要になります」とのことで断念。リサーチ不足である。

頭をひねって選んだ二本

合わせてみたのは以下の二本のワインだ。

コノスル 20バレル シャルドネ

一本目はなんとコノスル。

こちらの「コノスル 20バレル シャルドネ」、安くて美味いと評判のコノスルのハイエンドモデルというから気になっていたのだ。
お値段も立派なもので、なんと定価で2500円以上、低価格コノスルとの価格比は四倍近い。
20樽の生産に限定し、フレンチオークの樽で九か月寝かせたというから、その味には期待が高まるところだ。
主に火を通した牡蠣用。

ミュスカデ セーヴル・エ・メーヌ

二本目にはミュスカデをセレクト。

ミュスカデというブドウ品種を使ってセーヴル・エ・メーヌ地方で作られたワインで、魚介との相性がいいことで知られている。1,000円台で買えるコスパの良さも魅力。
主に生牡蠣用。

お通しが、かなり豪華。


まず見ていただきたいのがこちらのお通し

そこら辺のチェーンの居酒屋が裸足で逃げたすくらい豪華なお通しだ。
牡蠣とムール貝を豪勢に酒蒸ししたものだろうか。これだけでもメインをはれそうな漁師飯だ。

もちろん味も大満足。
さっそくコノスルを抜栓して合わせてみる。

グラスに注いだワインの写真を撮り忘れたのでいまいち説得力が薄いかもしれないが、このコノスル実にうまい。
樽熟成させているだけあってしっかりとした樽の香りがあり、またシャルドネ特有のトロピカルな果実味もありつつ、適度なミネラル感がそれを引き締めている。

火を通した牡蠣との相性は案の定抜群で、ミルキーで滋味深い牡蠣と、シャルドネのトロピカルな香りがベストマッチ。バターのような滑らかさがワインに備わっていれば完璧だったかな、と思うもののさすがにそこまで求められないか。

バターやクリームの濃厚なソースをかけて食べれば、さらに相性はよくなっただろうと思わせる。

焼き牡蠣はもうプリップリ!

お通しだけでもかなり満足度が高いが、やっぱりメインは焼き牡蠣でしょう!
このように牡蠣を並べてふたをして8分。
焼きあがった牡蠣を皿に取ってみると、それはもうぷりぷりで実にうまそう……!

個人的に牡蠣の魅力はこのぷりぷり感にあると思っている。
なのでそれを損なうカキフライのような調理法は好みではない。身が小さくうまみが少ない牡蠣を、何とか見栄えだけでも良くしようと思って生まれたのがカキフライであるから、鮮度の良い牡蠣はシンプルに焼くか生で食べるべきなのだ。

そしてこの高円寺牡蠣小屋、調味料の持ち込みも自由なのが非常にありがたい。

今回はバジルソースを持ち込んでみた。そのままパスタと和えても間違いなくおいしい奴だ。
こいつを焼きたての牡蠣にのせて一口に頬張れば、それはもう約束されたおいしさというもの。

そしてこのタイミングで生牡蠣が到着、ミュスカデを抜栓。

生牡蠣は絶対にミュスカデ!

それにしても生牡蠣というのはなんでこんなにうまいのだろう。

ぷるんぷるんとしたセクシーな身にレモンをしぼってとぅるっといただく。
鼻孔にのこる磯の余韻が消えぬうちによく冷えた白ワインを飲む。
牡蠣を食べる。ワインを飲む。牡蠣を食べる、ワインを飲む。
これを一生繰り返していたい。
ゲシュタルト崩壊するほど生牡蠣を食べてみたい。

この“とぅるっといただく”というのが肝である。生牡蠣というのはガムよろしくくちゃくちゃ噛んで食べるものではない。咀嚼も半ばに飲み込んで、そのシルクのようなのど越しを味わうべき食べ物なのだ。

ノロウイルスがなんだ、トイレに行く回数が増えるだけではないか。何を恐れることがあるだろう?
実際ノロにかかってはそんなことも言っていられなくなるのであろうが、生牡蠣を食っているこの瞬間だけは心底そう思う。

(後記:この後しばらくして牡蠣にあたって大変な思いをした。でも相変わらず牡蠣は大好きである。)

もちろんミュスカデとの相性は完璧。締りのある酸味が絞ったレモンを経由して生牡蠣とベストマリアージュ。
下手なシャブリを飲むくらいならミュスカデを飲んだほうがいいと思っている。
確かにシャブリと比べるとミネラルは少なく感じられるが、むしろそれが日本の牡蠣には合うのではないか。

日本酒? それともワイン?

牡蠣には絶対日本酒だ、という人もいれば、いやいや白ワインだという人もいる。
中にはウイスキーのボウモアをかけて食べる人もいる。

ボウモアを試したことはないのだけれども、すくなくとも日本酒と牡蠣、白ワインと牡蠣については、まったく別の性質のものとして分けて考えるべきだと私は思う。

日本酒には、一緒に食べるものを穏やかにつつみこむような特性がある。おそらくは米というものがもっている特性なのだ。だからこそワインに比べて合わせられる料理の幅が広く(米にのせて美味いものは日本酒と合わせてもうまい)汎用性が高いのだ。

それとは逆にワインは、良くも悪くも食材の持っている風味、味わいを拡大するように思える。
その拡大された味わいとワインの味わいが絶妙にマッチしたとき、初めて幸福なマリアージュが成立するのであろう。
確かにそうした点で日本酒に比べると少々難易度が上がってしまうのかもしれない。白ワインと血の滴るようなステーキも合わないし、赤ワインと生魚は悲劇的ですらあると思う。

だが時として、食材の味わいとワインの香りが相互に化学反応を繰り返すような、そんな類まれなるマリアージュに出会うことがある。
「あれなら合うかな、いやこっちのほうがいいかな」とクロスワードを解くようにいろいろ考えてみる、そしてそれがぴたりと合ったときの快感。だからワイン飲みはやめられない。

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