PDXTAPROOM ポートランドと日本をつなぐ、架け橋とも言える場所。

渋谷でクラフトビールを飲むなら、この店を外してはいけない。

PDX TAPROOM(ピーディーエックス タップルーム)という今年秋にオープンしたクラフトビールのお店だ。 ポートランドを中心としたオレゴンのクラフトビールのみを集めた、非常に珍しいスタイルを取っている。

オーナーである平松美幸氏はどのような思いで、ポートランドをメインコンセプトに掲げているのだろうか。

ポートランドが近年アツい。

サードウェーブコーヒーの潮流を作り、今もなおそのムーブメントをけん引しているポートランドは、「住む」という側面でも圧倒的な人気を誇り、
アメリカの35歳以下の若者が住みやすい街ランキングで1位を獲得している(KINFOLK調べ)。
エシカルで、サスティナブルで、クラフトマンシップにあふれたポートランダーの生き方に、多くの人々が共感し、羨望している。

そんなポートランドの風土に、スタイルに、感銘を受けた一人の女性が、東京の渋谷にポートランドをテーマに掲げたクラフトビールの専門店を作った。
それが「PDX TAPROOM」だ。

場所は渋谷と原宿の間にあるキャットストリートから一本脇に入った通りのビルの二階。
渋谷駅前のがやがやとした喧騒から離れた、ちょっと落ち着いた場所に居を構えている。
店内はカウンターがメインで、お目当てとなるクラフトビールは、なんと10種類も常備している。
足を運ぶ人々は、その周辺でアパレルや美容室をやっているスタッフたち、仕事終わりの会社員、ポートランドをこよなく愛する人たち、そしてもちろんクラフトビールが大好きな人たちだ。

平松氏が掲げる理想、ポートランドへの思いに迫っていく。

オーナーの平松氏はこのお店をどんな思いで始めたのだろうか。

それは、彼女がポートランドと出会った20年ほど前にさかのぼる。
学生時代の留学先として、平松氏が初めて行った海外がポートランドだったという。
異国の土地にステイするというのは、緊張と不安が付きまとうものであるかと思いきや、平松氏はそこで意外な印象を受けたのだという。

「ポートランドに実際に住んでみて、街の雰囲気や人々の暮らし方がすごく好きになってしまったんです。」

店内にはポートランドのコレクションが沢山。平松氏のポートランド愛が伺える。

それはどれほど印象深い体験だっただろうか。想像に難くない。

「そのころ丁度、マイクロブリューワリー(クラフトビールの醸造・販売所)が出来始めて、それを飲んで衝撃を受けました。それからポートランド好きに、ポートランドのクラフトビール好きが加わっていったんです。」
それからというものの、平松氏はポートランドに本社のある企業に就職し、出張やプライベートで頻繁にポートランドに訪れるなど、ポートランドとのつながりは絶えなかったのだと話す。

「街が再開発されたり公共交通機関が年々充実していきより住みやすくなり、人々のもっとポートランドを盛り上げていこうという雰囲気を肌で感じていく機会が増えていきました。」

そのなかでとある気持ちが芽生える。

「keep portland weird」ポートランダーたちが自分らしさを大切にしていることを掲げたスローガン。街の象徴でもある。

「クラフトビールのブリュワリーもどんどん増えていく中で、日本の居酒屋とは違ったスタイルでお酒を楽しんでいる様が目に留まりました。」
「例えば昼間からお酒を飲んでいたり、大人数ワイワイ騒ぐというよりは少人数(ないし一人)で飲んでいたり、ポートランドには日常に溶け込んだカフェのようにビールを飲む文化があるんです。それを日本でも紹介できないかな。という考えを抱くようになり始めました。」そうして、平松氏はいままで勤めてきた会社を退職し、PDX TAPROOMを開いたのだという。

毎日10種類のラインナップを常備している。入れ替わりのテンポも良いため、通いつめても飽きがこない。

思えば日本の中で気軽に飲めるお店というのは少ない。
そもそも昼からお酒を飲むことに罪悪感のようなものさえある。
我々がお酒を飲む際、ちょっと構えた意識を持って飲んでいる気がする。
そんなスタイルとはまるで真逆のものを、平松氏はポートランドからインポートしてくれた。

仕事をしながら、音楽に浸りながら、自分の時間を過ごしてもらいたいと考える平松氏。
店内はカウンター席がメインで、カバンかけやコンセントが配置された本当にカフェの一角のようなスペースもある。

カフェのようにコンセントと荷物かけが設置されているカウンター。かゆいところに手が届いている配慮だ

PDX TAPROOMは、一人、二人でビール片手にくつろぐイメージが似合う。

まさに平松氏の語る、ポートランドのタップルーム(ビール酒場)。
キャッシュオンのシステムなのでカウンターで注文の都度、お金を払う。
店内をぐるりと見渡して、日本語が見つからないところもいい。(もちろんメニューは日本語で書かれているけれど。)これぞ、西洋風な酒場の雰囲気だ。

名前の「PDX」はポートランドの都市コードである。
これだけで、旅慣れた客はそこでポートランドのビールが飲めることが一目で分かる。

ポートランドを愛する人々が集まって、この場所に新たな思い出を刻んでいくことだろう。

感度の高い若者が集まり、外国人観光客も多い渋谷。
その渋谷で、ポートランドに関心がある人々が自然に集まってくる場所として、PDX TAPROOMは機能しているようだ。

そこには、ビールを構えて飲む人の姿は無い。
ポートランドの血が確かに、その空間に通っているからだ。
それは人をラフな気持ちにさせる。
言わばPDX TAPROOMは、ポートランド・クラフトビールの渋谷支部。
お酒が好きで、ポートランドが少しでも気になっている人は足を運んでみよう。
そこはアメリカの西海岸のタップルームにつかの間の小旅行ができる場所だから。

実際のビール、フードをレヴューしたこちらも合わせて読んでみてほしい。

渋谷で本場ポートランドのクラフトビールを -PDX TAPROOMで堪能する”ポートランド”

2015.12.08

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