ビールだけじゃない?デンマークのお酒事情

カールスバーグのお膝元、デンマークはビール大国だった。 デンマークのお酒事情を、コペンハーゲン在住の筆者がレポート。

デンマークのお酒、といえば、まずはCarlsberg(カールスバーグ)のビールが思い浮かぶであろうか。
コペンハーゲン在住の筆者が、そんなデンマークの実際のお酒事情に迫る。

なにはともあれビール

冒頭でも述べたとおり、やはりデンマークのお酒=ビール(デンマーク語でøl〔ウルと読む〕)である。決して過言ではない。日本の飲み会での、「とりあえず生で」どころの騒ぎではない。レストランやバーを訪れても、アルコールのメニューにはたくさんの種類のビールがずらり。デンマーク人たちは、その日その時の気分に応じて、どの銘柄にするかを決める。以前デンマーク人たちとレストランで食事をした時、メニューに珍しくカクテルを見つけたのでオーダーしたところ、デンマーク人からどよめきの声があがった。「なんでビールじゃないんだ」。彼らはビール以外のお酒を知らないのだろうか。

なぜビールなのか

しかし、なぜビールがここまで広く飲まれているのだろうか。そこには3つの理由がある。

まず一つ目が、年齢である。デンマークでは、アルコール度数の低いビールなどであれば、16歳から、飲酒が法的に認められている。日本でいえば、高校一年生の頃からお酒を嗜むようになるということである。年齢の感覚が、日本人からすると少し驚くかもしれない。しかし、デンマーク人はみな、実に大人っぽいのだ。北欧的な美しい風貌で街中を歩く姿は、たとえ高校生といえども、日本の大人たち顔負けの色気と格好良さを演出している。そんな彼らはまさに、青春時代から、お酒を楽しむことができるのだ。

二つ目の理由は、値段だ。デンマークでは、ビールの値段が恐ろしく安い。一番安いもので、約90円で333mlのビールを楽しむことができる。この値段で、どこにでもあるスーパーにずらっと置いてあるから驚きだ。北欧諸国の中でも一番価格が安いため、隣国のスウェーデンやノルウェーから、わざわざお酒のためにデンマークに訪れる人がいるほどである。また、コペンハーゲン大学内では、学部ごとにバーが存在し、学生たちは毎週金曜日の夜に集まってビールを飲む。もちろん、学生のお財布に優しい、良心的な値段でビールを楽しむことができる。

最後はやはり、世界的な大企業の存在である。世界第4位のビールメーカーであるカールスバーグ社 (Carlsberg〔デンマーク語ではカールスベアと読む〕)は、デンマークの企業だ。そんなカールスバーグ社の2大商品、カールスバーグ(Carlsberg)とツボルグ(Tuborg〔デンマーク語ではトゥーボーと読む〕)が、「THE Denmark」なビールだ。値段は1缶120円程であり、よく6缶セットで販売されている。自国のビールを親しみ、手軽に、毎日のように飲むことができる環境が、デンマークにはある。

実際のお味は?

Carlsberg:少し辛口なビール。後味に一癖あり。ジャガイモやウインナーといった、デンマーク・ドイツの料理によく合う。しかしその一癖のせいで、意外とデンマーク人の間でも好き嫌いがわかれる。

Tuborg:辛さも癖もあまりない、ある意味おとなしいビール。どんな場面にも適応できる万能さ。とりあえずビール、な気分の時はこれ。デンマーク人はTuborg好きな人が多い印象。

ROYAL:個人的に一押しのビール。ROYAL UNIBREWという会社が製造している。Red、Blue、Greenの3種類があるのだが、Blueがおそらく一番日本人の口に合う。デンマーク人いわく、ROYAL Blueは「Blue Coke」の異名をとる。というのも、あまりにも飲みやすいため、コーラのようにがぶがぶと飲んでしまうことからつけられた別名だそうだ。CarlsbergとTuborgを足して2で割ったような、なんとも丁度いいビール。

シュナップスというお酒

さすがにビールだけでは終わらない、デンマークのお酒事情。じゃがいもの蒸留酒であるシュナップス(schnapps〔デンマーク語ではシナプスと読む〕)は、アルコール度数が40度ほどの強烈なお酒である。デンマークの伝統料理スモーブロー(smørrebrød〔デンマーク語ではスモーブロと読む〕)を食べるときや、クリスマスの昼食のとき、お祝いごとのある日などに、このシュナップスをちびちびと飲む。味を楽しむというより、とにかく酔いたかったり、のどが焼ける感覚を味わうために飲むそうだ。毎日飲むものではないが、デンマーク人の間で脈々と受け継がれている、そんなお酒である。

近年のトレンド

デンマークを代表するお酒は、たしかにビールである。しかし近年の統計をみると、ワインの消費量がビールの消費量を上回っている。これは、ヨーロッパ諸国から輸入ワインが流入してきているためである。スーパーでも、ビールに負けじと、様々な種類のワインが所狭しと並んでいる。また、地ビールの発展が数年前からの新たなトレンドだ。地元のレストランなどが、いわゆるクラフトビールを作るようになっているようだ。人気が出ると、他の工場に生産を委託し、スーパーなどで販売することもあるという。今後の動向に注目である。

とにかくお酒が大好きなデンマーク人。今日もどこかで乾杯していることだろう。

Skål!!(デンマーク語で乾杯の意。スコールと読む)

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