カテゴリ: ビール

ビール=ピルスナー の図式

サッポロ黒ラベルにスーパードライ、プレミアムモルツにキリン一番搾り。
これら日本ビールは、もちろん味もキャラも様々なのだけど、ピルスナーという種類のビールだということだけは共通している。

いや、日本のビールだけではない。バドワイザーにハイネケン、青島ビールまで、世界の主要なビールブランドはだいたいこの「ピルスナー」。

じゃあピルスナーってなんなの?

こちらの記事でも解説しているけれど、まずビールには大きく分けて
・ラガー(下面発酵)
・エール(上面発酵)
・自然発酵
の3種類がある。

この中で自然発酵については、最初のうちはあんまり押さえておく必要がない。(日本ではマイナーなので)
そしてこのエールとラガーの2カテゴリのうち、ラガーに属するのがピルスナー。
いわゆるビールと聞いて皆が想像する味である。苦味があってのど越し爽快、風呂上りに飲むと最高においしい一杯だ。

おいしいのは間違いがないピルスナーだけど、ピルスナーだけがビールではない。
この世界には1,000種類以上のスタイルのビールが存在していて、ピルスナーはこの1,000のビールのうちのたった一つにすぎないのである。

このピルスナーが世界を占拠するに至った理由とはいったい何なのであろうか?

ピルスナーが世界をジャックした3つの理由

冷蔵技術の普及

世界初のピルスナーがこの世にでたのが19世紀の半ば、1842年のこと。
それまでビールで主流だったのは圧倒的にエール。ラガーに比べれば原始的、言い換えれば平易な醸造方法だから、長い間ビール=エールだったのだ。

ところがピルスナーの登場と同時期に、冷蔵技術が発達したことにより
・冷たい環境で作る必要のあるラガービールが冬以外にも通年作れるようになった。
・冷やして飲むとピルスナーのほうがうまい
ということで、チェコで生まれたこのビールは、瞬く間に世界を席巻したのである。


大量生産が容易で保存にも適していた

冷蔵技術の発達とともに生まれたピルスナーは、エールに比べると大量生産が容易であった。
まず第一に、低温下で発酵・熟成させるために、雑菌の繁殖を抑えることができ、品質のばらつきが少なかったからである。対してエールタイプのビールは、通常20度くらいで発酵が行われるため、一歩間違えると腐敗、なんてことも多かったのだ。

またもともと雑菌の繁殖が少なかったのに加え、殺菌技術が発達したことにより、さらに長期間の保存が可能になった。
これにより、世界中に輸出することができるようになったので、大いに広まったのである。

大量生産だからといって馬鹿にはできない、おすすめピルスナー

ピルスナー・ウルケル

ピルスナーの元祖、ピルスナーウルケル。
ビールらしい王道の苦味、舌やのどを軽やかにくすぐる炭酸。
ぷはぁーって感じの味わいである。

ビットブルガー

チェコで誕生したピルスナーはドイツで大きく花開いた。
そんなドイツのピルスナーの代表が、ビットブルガーだ。
ビットブルガーはドイツでもっとも高い評価を受けるビール会社。その味わいはまさに麦。
上質なフランスパンに似た香りが、あらゆる西洋料理と相性抜群である。

カールスバーク

ド大手であるカールスバーグがここで出てくることに疑問を覚える人もいるだろう。
だがカールスバーグが現代におけるビール普及の立役者であることに触れないわけにもいくまい。

実際のところ、今日のようにピルスナーが世界中で飲まれるようになったのは、カールスバーグが1883年に確立させた「ビール酵母の純粋培養技術」のおかげだ。
純粋培養とか言われてもなあ、と思われるかもしれないが、めっちゃ単純に言えば、それまで経験と勘で作っていたものを科学的に作れるようにしたということだ。

その技術のおかげでビールを大量に、何より安価に製造することができるようになったので、僕らは安くて美味しいビールを飲めるようになったというわけだ。

味のほうはというと、非常にすっきりしていてスタンダードな味わい。日本の大手メーカーのものに近いが、それよりは少し上品。枝豆ではなく白身魚のフリットなんかと合わせたい味わいである。

カールスバーグのお膝元であるデンマークのお酒事情について、デンマーク在住ライターが執筆した記事もあるので、読んでみてほしい。

身近なようで奥深い、ピルスナー。今回は大手のビールばかり紹介したが、大手だけじゃなくマイクロブルワリーでもたくさん生産されてるので、試してみてほしい。
ビールにはいろんな種類があるけれど、やっぱり夏場の一杯目はこれに決まりだ。

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編集部 三宅隆平

脳髄を置いてきぼりにして走る

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