スコッチウイスキーの入門 第四回:キーモルトとその遊び方。

今回はブレンデッドウイスキーに欠かせないキーモルトについてのご紹介。 ちょっと深すぎるだろうか。 いやいや、そんなことは無いはず。 これも楽しみ方の一つ。 気楽に楽しんでほしい。

ブレンデッドの個性を開くカギ。それが「キーモルト」

ブレンデッドウイスキーをよく嗜むのであれば、そのキーモルトについて知っておくのも悪くない。

キーモルトは、一つのブレンデッドウイスキーの中に配合される、最も重要な蒸留所のモルトたちのことを指す。
一つのブレンデッドウイスキーの中に、より多く配合されているモルトがキーモルトであり、ブレンデッドの香味を決定づける基本骨子だと言っても過言ではない。

スコッチのシングルモルトとして有名なものの中にも、このブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われているものもある。
例えば「アードベッグ」や「スキャパ」
この二つのモルトはバランタイン17年のキーモルト、魔法の七柱の一つとして存在している。

上のように、シングルモルトとしてもブレンデッドのキーモルトとしても有名なモルトウイスキーがある一方で、ブレンデッドに配合されることがメインとなるようなモルトウイスキーもある。

蒸留所の中には、市場に流通させるだけのシングルモルトを作ることが難しい所もそれなりに存在する。
それ故に、その蒸留所のモルトが手に入りにくいことも当然のようにあるということだ。
シングルモルトにも注力出来るような蒸留所はそれなりに経済力があるところに限られてくる。

スコッチウイスキーの流通における90%はブレンデッドウイスキーという事実も見逃せない。
市場のニーズとしてもまずはブレンデッド用の原酒を作り出さねばならないというホンネがここにあるように思う。

有名なブレンデッドのキーモルト

ここからは、有名なブレンデッドのキーモルトを紹介していこう。

キーモルトはブレンデッドと併せて飲むとより一層その味わいを楽しめるし、結構ツウな遊び方だ。
ぜひこの二つを合わせて飲んで楽しんでもらいたい。

紹介するのは「ジョニーウォーカー黒ラベル」。いわゆる「ジョニ黒」のキーモルトたちだ。

ジョニーウォーカー黒ラベルのキーモルト

いわゆるジョニ黒のキーモルトはカーデュ、タリスカー、ラガヴーリンの三種類。
その他のモルトウイスキーも合わせて40種類以上のウイスキーをブレンドして出来上がっているという。

どうしてそんなに多くのウイスキーをブレンドするのかと言えば、ウイスキー、特にスコッチウイスキーは自分たちのブランドの味わいが変わってしまうことを極端に避けるため、沢山のウイスキーをブレンドすることで、一つのウイスキーの質が極端に下がったとしてもクオリティが保てるように、保険をかけているのである。

カーデュ

カーデュはやや珍しいけれどシングルモルトとしても発売している。
その個性の強さからラウドウイスキーと呼ばれているモルトウイスキーの中で、非常に穏やかな個性を持ったウイスキーだ。しかし、だからこそこのウイスキーはブレンデッドの柱に抜擢されるのだろう。
ジョニ黒はプレミアムブレンデッド(モルトの比率が高いブレンデッド)である。そのウイスキーがうるさくなりすぎず万人に愛されるポテンシャルを持つのは、このカーデュのおかげなのである。

是非ともカーデュは、ジョニーウォーカーと飲み比べることをお勧めする。
この二本のウイスキーがどんなに似ていて、どこが違うのかを比較してみるだけで、結構ウイスキー舌は肥える。そんな経験値の高いお酒だ。

タリスカー

タリスカーはシングルモルトとしてもメジャーな部類。
スパイシーでインパクトが強く、アイラ島のモルトと並んで個性的だと評されることが多い。
しかし、そのスパイシーな香味の中にほんのり、あっさりとした甘みがある。
この甘さこそがジョニ黒とタリスカーに有機的な繋がりをスムースに印象付けるし、
逆にジョニ黒の中にサーッと通り過ぎていくあのスパイシーな感じがタリスカー由来だったのかと分かって楽しい。
カーデュとはまた違う意識で、シーソーのようにジョニ黒とこのモルトを行ったり来たりしたい。

ラガブーリン

アイラ島のモルトとして有名で、タリスカーと同様、シングルモルトでもなじみがある。
かなりスモーキーでオイリー。しかしその中に華やかさがあり、鋭い高級感がある。
タリスカーと共に、ジョニ黒の個性、クセの部分を担っていて、好き嫌いの分かれるモルトの一つだ。
このお酒はジョニ黒にとって代替不可能な個性を与えているといっても過言ではなかろう。
カーデュとは違い、少量でグイッとジョニ黒の輪郭を引き締めている。

ラガはジョニ黒と並べて飲むというよりは、ジョニ黒からラガというようにグラデーション的に飲むのが良い。何が違うかと言ったら飲むタイミングが違うだけなのだが、ジョニ黒が優しく甘い香味で抑えていたラガの強さがグワッと押し出されるような感じがする。

そのブレンデッドのキーモルトを探すには

「このブレンデッドのキーモルトは○○だな。」と、一口舐めて分かったら、これほどかっこいいものは無い。
しかし現実は、先にブレンデッドの味や種類を理解し、詳しくなっていく方が早い。
酒販店で、バーで、CMで。普段目につきやすいウイスキーは、ブレンデッドウイスキーであるからだ。

もしもあなたがバーに行ってブレンデッドを飲むことが好きならば、
そのキーモルトをバーテンダーの方に聞いてみるのも良いかもしれない。
運良くそのバーにキーモルトのボトルがあったならば、「そのモルトでしたら……、」と言って見せてくれるかもしれない。
(決して飲めと言ってるわけではなく、一つの選択肢として、貴方の目の前に持ってきてくれるのだ。)

もちろんそうやって置かれたボトルの中には、シングルモルトとして出回りにくく、お値段が可愛くないものもあるため、気を付けて頂きたい。

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