カテゴリ: ワイン

グラスの選び方について書いた前編はこちら

なぜグラスブランドの話になるのか?

前編でも書きましたが、「ワイングラス オススメ」で検索をかけると本当に呑んでるのか疑わしいような記事も散見されゲンナリさせられました。
それらのパターンとして大抵は「グラスの形状に種類があること」そして「オススメのメーカー」から「オススメのグラスで決定!」という筋道です。

または最後のオススメを「エライ人に聞いてきました」とかかしら。

いずれにしてもティスティンググラスをズブの素人に薦める奴にロクなのはおらん。

先に書いておくと、私は最終的に「オススメのグラスはA社のコレ!」という断定をしません。

何故ならば、前編でたっぷり書いた通り自分の気に入った形で呑むのが一番だからです。

ここを読んでる皆さんは試験対策の為に飲んでいるだとか本職のソムリエやショップスタッフだとかではないでしょう?
従って、避けるべき要素は断言しましたが逆に「コレを初心者は買え」とも言えないのです。

同時に実は編集部から依頼されていたことなのですが、「品種のグラスの形について」も詳しくは解説しません。

ボルドー型とかシャルドネ用とかのソレね。

でも私は、自宅用なんだったらブルゴーニュ用でボルドーを呑んだっていいしボルドー用でシャルドネを呑んだっていいと極端に突き詰めれば思っています。

グラスは器です。ソムリエであれば、お客様に料理を魅せる為に器まで提案します。

それらをチョイスしたワインに合わせて出すでしょう。
でもそうした技術はレストランのソムリエクラスでいいのです。
ワインマニアの遊びなのです。
これを読んでいる貴方がまだワインに慣れてないならば、そこまで神経質になる必要は、ない。
断言して、グラス選びに関しては「貴方の好きな形でいい」んです。盤面をひっくり返せば、私が全力で避けろと言い切っているティスティンググラスが堪らなく好きなら、それでイイ(あ、でもやっぱりティスティングはオススメしないヨー)

・・・・・・と、言いつつワイングラスメーカーの紹介をしておきます。

何故ならば、ワインに比べればワイングラスメーカーは圧倒的に少ないからです。

今回の記事で出てくる会社で大体話が出来ます。
だから殆どのワイングラス特集では必ずメーカー話が出てくるんです。

が、ネット上のお金をもらってる訳でもなかろうにワイングラスメーカーあれこれ書いてる記事には、実際に使っているような様子もなければただただ紋切り型で収まってるモノの多いこと・・・・・・

そこで、今回はなるべく実際に使った感触や各メーカーの良い点と悪い点を独断ですがあげていきたい。
多分、各メーカーに対してマイナス的な要点をあげる日本のネット記事は少ないハズ。
その為逆に選択肢が狭いのではないかとも思うんですネ。なので、箇条書きでオススメポイントとデメリットめいた部分を書いていく。
では、どんな感じか、一個一個見て行きましょう。

リーデル

出た!超定番!!

著名すぎるといいますか、ワイングラス話でこのメーカーが出てこない事がありえないぐらいの存在です。また、このメーカーについてどの程度書いてるかで大体のそのワイングラス特集に力量があるのかもわかるというモノ。

☆GOOD POINT
・普及しまくっているので低価格帯はどこでも買える
・マシーンメイドが多いので安定性が高い
・グラスの形のバリエーションが多い
・品種ごとの個性をイノベーションした会社だけあって最近も新しい形を提案している
・グラスセミナーをやっている事
・鉛ガラスへのこだわりがあり、鉛を使う理由に関して説明が出来る
・アメリカ人評論家ロバート・M・パーカーがオススメしてたのはココの最高級ソムリエシリーズ

☆BAD POINT
・あまりにも有名すぎていて、アンチも多い
・低価格はマシーンメイドの割に値段は他社に比べるとちょっとお高め
・グラスの形のバリエーションと提案が多すぎる
・提案が多すぎて万能グラスと言い切るアイテムが弱い
・エコマニアには鉛が気になる?
・そこそこ割れやすい

・・・・・・リーデルがとにかくワイングラス特集で出てくる最大の理由はその普及率の高さです。
家庭での一般化、ではありません。ショップでの一般化です。
ほぼほぼ、ワインショップにいけば買うことが出来るワイングラスと言ってもいい。
なんと家電量販店ですら買える。
実はこの売っているお店の多さというのがリーデルの最大のポイントなのです。
生まれて初めてWindowsパソコンを買うとしましょう。その時には恐らく大手PC会社(NECや富士通やソニーetc)を選びますよネ?自作品やマイナー会社を最初から選ぶ人は極めて少ないハズ。
それと通じるぐらいに大手。フォルム形状以上に「リーデルだから安心」なんです。
そのマジョリティさから嫌いな人も少なくないんですが、スタンダードであることは間違いない。

また、リーデルを話に組み込んでおいて何故かセミナーの話に触れないのは「不自然」です。

リーデルではこうした
「ワイングラスの実力を知ろう!」
というような簡単な講演会が色んなところで行われています。
販売促進活動なんですけど、この時に大体使ったグラスを最低1個は持ち帰らせてくれます。
グラス料金のために呑めるワインの質はそんなに高いモノではないんですが、グラスのあれこれをならべて知る上では利用していいと思います。
これこそまさにワイン初心者向けの企画!

なんと、コカ・コーラとコラボしてコカ・コーラに最適なグラスまで提案している訳!
その他のグラスに関しても「カベルネ」「ニューワールド・シラー」など名前がついており、わかるひとにはそれぞれの専用性がわかるもののわからない人には
「あ、これはカベルネってワインにしか使っちゃいけないんだな」
みたいな観念も産んでしまう。その為にオーヴァチュア・レッドなどのもっと安くて広義なモノも出ているのですが、それらだと途端にリーデルである必要性がなくなります。
リーデル社側は「シラータイプやキャンティ・リースリングタイプが万能」としてますが、言葉上どうしてもシラー以外の品種のワインを入れづらいのです。

リーデル側がある意味「万能なグラス?そんモノはない!グラスとワインを合わせんしゃい!」という方針を貫いているからこそともいえます。
価格に関しても手作り品でない低価格帯(ヴィノムやヴェリタスやそれ以下のシリーズ)の値段設定は他社に比べると殆どの場合割高にはなっています。
とはいえ、定番はやはり定番。
大体の人が通過するのがリーデルであることは疑いようなし。

ショット・ツヴィーゼル

出た!パート2!ド定番ツヴィーゼルです。
リーデルに次いで家電量販店でも売ってたりするブランドといえるメーカー。
よくよく目にするのは「安くて安定」という印象のあるメーカーで、リーデルよりお買い得感があるといえる。

☆GOOD POINT
・リーデルほどではないにせよ、普及率が高く買いやすい
・トリタンという自社素材を使っていて頑丈
・トリタンが鉛を使ってないので自然にやさしいらしい
・価格帯の平均値が安い
・バリエーションもリーデルほどではないにせよ豊富
・形状が割りと細身よりのものが多く、スマートめ

☆BAD POINT
・素材が他社と違うためか、どのグラスも口当りに少し分厚い印象がある。
・同様に多少重た目(それがいいという人もいる)
・ステムなどの繋ぎ目がモノによってはひっかかるぐらいにわかる
・付随してステムが太いのが気に入らない人はいる
・横に広いタメがある形が好きな人にとってはイマイチデザインが響かないことが多い

ツヴィーゼルは割合リーデルと比較した時に安さの方面で語られる事が多き気がします。
けれど、一番のポイントは頑丈さだと私は思う。
自分で買って使ってて、他のメーカーは何回か割っちゃった事がある(リーデルのヴィノム・カベルネなんて4回ぐらい割ってる)んですが、ツヴィーゼルの一脚だけはずっと同じモノを使い続けています。
ステムからして他と比べて持っただけで「あ、こいつ折れそうにないな」みたいな信頼感がある頼もしい兄貴肌のグラスといえるでしょう。
カジュアルなレストランとか試飲会で使われる事が多いのはそうした理由です。
割れにくいし、割っても安い。形状も普通だからコレ使ってクレーム出す人はそんなにはいない、ハズ。
欠点はその分、全体に重たくどっしりしている事。
ワイングラス界隈は比較的「軽さが品質」な傾向があるので、その意味ではツヴィーゼルのシリーズは他社よりもイマイチにうつるかもしれません。
また、ステムとかの継ぎ目の処理があんまり上手くない気がします。これも持っててたまに感じる事ですネ。
これら使い心地から「安かろう普通だろう」みたいな印象があるのがツヴィーゼル。
100人乗っても大丈夫!そういうキャラクターです(や、実際乗ったら一人でもダメだからやめてネ!)

木村硝子店(ロナ)

日本のメーカーであり自社デザインアイテムとセレクトショップ的に輸入&販売しているメーカーです。
スロヴァキアのロナという会社との提携アイテムでワイングラスを展開しています。
上記2メーカー程は普及してませんが、何気に実は木村硝子だったという事があり、ファンも多いのが特徴。私もファンだ。

☆GOOD POINT
・価格帯が比較的安い
・ハンドメイドで4000円アンダーがあるのはここぐらい
・口当りが高級品に匹敵する薄さ。特に中価格帯に関しては群を抜く
・実はロブマイヤー辺りの高級モノと素材が近い
・形状が独自のモノから定番のモノまで幅広くありイノベーションを感じる
・全体には中にタメを作くるような形状が多い
・田崎真也プロデュースなどもあり、意外と著名人が好んで使っている
・ステムも比較的細い

☆BAD POINT
・低価格帯でたまにソーダガラスの品があったりする
・形状のタメかたがちょっとだけ変わっており、マニア受けはするがスタンダードではない
・ハンドメイド度が高いので同じグラスを買っても全く同一にならない
・ステムが折れやすい
・本家のショップですら売り切れてる商品があったりして、入手や実際に見れる機会が少ない

一度このメーカーを使うと二大巨塔のリーデルやツヴィーゼルに戻れなくなる、とも言われる木村硝子。
実際、私もかなり気に入っているメーカーです。庶民価格でハンドメイド品が買えるのは偉大。
ツヴィーゼルと木村硝子の人気シリーズを比べてみると瞭然と口当りが軽い。
また、形状がステムレベルで色々遊んでいるモノが多く、今回オススメしている「形で買う」という意味では最も見てて楽しいと思います。
1000円程度の追加でこちらの写真にうつってるサヴァシリーズなどを買えるのであれば、リーデルを選ぶよりは正直なところ木村硝子のシリーズの方が個人的にオススメ出来うるかな。
一方で、ここの人気のシリーズはあんまり見かける事がないだろうと思います。
安値のマロンシリーズなどは見かけるかもしれませんが、それらだと同価格のツヴィーゼルより軽薄な印象が私はあるかなー。
また、ステムが折れやすい印象はありまネ。パリーンじゃなくて、ポキッ。
ハンドメイド感がちゃんとあるとも言えるのですが、同じグラスでもちょっとした違いが気になっちゃう人にもあんまり向いてないかも。
それと、低価格のギャルソンシリーズなどがソーダガラスだったりして、割りと地雷アイテムが混ざってなくもない。
スタンダードさには欠けるから、初心者向けでも無い部分はあるかも?
しかしながら、リピート率が高いアイテムも多いのは事実。
それぐらい5000円前後のグラスのコストパフォーマンスが良く、使ってて楽しいモノが多いメーカーです。

イタレッセ

ここは更にマイナーかもしれませんネ。
イタリアの「ほぼスパークリングワイン専門」のグラスアイテムを揃えるメーカーです。

☆GODD POINT
・シャンパーニュのメーカーが公式に使ってる事もあるぐらい、泡に強いメーカー
・そのため、スパークリングを見た目で楽しむには最適
・価格が全般的に安い
・基本的には見た目重視のデザインセンス
・脚がちょっと変わった見た目のが多いので気にいる人も
・また、柄物の展開も多い

☆BAD POINT
・デザイン重視のアイテムが圧倒的に多いので他社より性能面でいえば微妙
・シャンパーニュボトルが重たいせいもあるのだろうけど、割れやすい
・普及率はあんまり高くない
・他社と違って「全てのグラスをイタレッセで揃える」という事が出来ない(しづらい)

とにかく泡のメーカー、といった感じでありスパークリング(シャンパン)を呑むなら一本は持っておいてもいいかなと思います。
泡に関しては古くからのクープからフルートからバルーンまでなんでもござれ!
価格も他社と比べるとグッと安かったりします。
泡を呑むならココ!みたいな要素は多いのですが、反面グラス形状がかなーり見た目重視になっていまして、一応通常のスティルワイン向けのものもあるにはあるんですが・・・・・・まぁ、お察し。
そもそもクープとか、呑むには適さないって言われてるちょい古いスタイルなわけでして。
柄物の展開も多いのも一長一短かな。
また、頑丈さもそんなにない・・・・・・というより、他のワインボトルより重たいシャンパーニュ系で用いる訳ですから、ぶつけた時に割れる可能性が上がっているという。
とはいえ、ラグジュアリーに泡を呑んで贅沢な気分になる、というならそういう遊びグラスとして持つのもありだと思います。
一脚だけ買うなら絶対にオススメ出来ない、でもスパークリング用であれば超有能。
そんな尖ったメーカーです。

ザルト

*今回このメーカーだけは私、どのグラスも使った事がないですご了承を

今回の記事のコンセプトと外れはするんですが、紹介しておかないといけないメーカーとして敢えて入れております。
ついたあだ名が「神様から授かったワイングラス」。ブラインドティスティング大会で優勝したことで一躍注目が集まってたり。

使ったことがない以上、グッドバッドで書かないでおきますが、形状が細長くなんでも彼ら曰く
「もっともワインがうまくなる宇宙的法則に基づいた云々かんぬん」
との事。なに言ってんだこいつら?という気がしなくもないですが、業界人に格別に推奨されていたり。
価格も高級ラインの中では下目・・・なんですが、まぁそれでもちょっと高いかなぁという気がしないでもない?
かなりザルト・ワールドって展開がなされていまして

こういうアホなグラスまで存在。
なんかもう色々すごいので、紹介せずにはいられないんですが、私はまだこの神の領域に触れる事が出来てません。
誰かザルトでワイン呑む会とかやってくれんかな・・・・・・

ロブマイヤー

高級ワイングラスといえばロブマイヤー。バカラ?知らない子ですね。
ワイングラスなのにガラスケースで飾られて当たり前。
界隈のあこがれ。

☆GOOD POINT
・口当りが超繊細
・持ち心地が明らかなほど軽い。
・あまりにも代名詞すぎて、持ってるだけで気分が非常によろしい
・シンプルなデザインが基本ながら、どれも見るからに整っている

☆BAD POINT
・高い
・割った時のショックがでかい。そのくせ他より明らかに薄く軽いのでビビる人が出る程
・形のデザインがある意味では普通

いいものは高い。それ以上でも以下でも無い。

そう言い切るかのような、まさにキング・オブ・ワイングラス。
安くても一脚最低1万5千円。ザルトすら2本買えます。

石油王の人は全部ココで揃えれば良いんですが、恐らくココを読んでる貴方は普通のお給料だろうと思いますから、参考に目にする程度がいいのかも。

私は某所がバレリーナ5というタイプ使っていてその経験で書くんですけれども、ティスティンググラスに似た形状なのに明らかなほど口への入り方がスッとします。
まるでグラスが存在しないかのように、ワインに没頭できる薄さと軽さ。

グラスが究極だから何呑んでも美味い。そういう域に突入します。

意外と丈夫さもあったりしますが、値段が値段なので割った時のショックは天下一。
出来る限り、一度は触れて欲しいワイングラスメーカーでありますが、奮発して即割っちゃたりしたら恐らく立ち直れない。
本当にお金を出して価値あるものが手に入れたい、上昇志向の方は是非。





・・・というわけで、ワインメーカー各位見てまいりました。
勿論他にもメーカーはあるんですが、今回とりあげたモノで大体OK!というぐらいには大容量かつ他よりもグッと情報凝縮出来たのではないかと自負しときます(エッヘン
しかしながら、最後にもう一度書いておくのですけれども、

最後の決め手はピンッとくる見た目

メーカー云々も重要ですが、インスピレーションを大事にしてください。
上のような写真とかショップの画像で判断してもいいんですが、本当は色々見て歩いてほしくはあります(木村硝子店とかザルトは置いてる店が少ないからしょうがない所がありますが)。
ワインの味を決定する形状云々、という以上にこのグラスに注ぎたい!という感覚が最初のマイグラスなら何よりも大事なのですから。

馬子にも衣装、1000円ぐらいのワインもグラスでシンデレラになるのです。
パーティーのためのドレス選びと同じです。
是非、楽しんで探してみてくださいネ!



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シンク・P・ノブレス

このライターはフルボディです。http://sinquwine.blog.fc2.com/ 「オタクdeワイン!シンクのティスティングノート」よりやってきた。 「オタクこそワインを楽しめる!」「ワインは萌えだ!」が信条。此方では 「オールユーザー向け地球一わかるワイン入門」 を目指して頑張りまス!ENJOY!!

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