カナディアンウイスキーの魅力とは? 初心者にオススメの銘柄たち

カナディアンウイスキーは、ウイスキーの5大生産国の一つであるにもかかわらず、その実態はあまり知られていない。 しかし、一方でウイスキー初心者にとってみれば非常に飲みやすい特徴のウイスキーでもある。 カクテルにも使われることの多いカナディアンウイスキー。どんなウイスキーなのかをご紹介します。

カナディアンウイスキーと言えば……、

 

カナディアンウイスキー。
このウイスキーもアイリッシュと並んで、日本の中で印象の薄いウイスキーなのではないだろうか。
ウイスキーを良く嗜む方であっても、カナディアンクラブ、クラウンローヤルがメジャーな銘柄で……、あとは出てこない。
なんて方も少なくないはずだ。バーでももっぱらカクテルベース。
そんな印象では、ちょっとこのウイスキーが五大ウイスキーであるとは納得しづらい。

そこで今回は、カナディアンウイスキーの魅力について迫っていきたい。

カナディアンウイスキーの特徴と言えば、何といってもその飲みやすさだ。
麦の風味が豊かで、ライト&スムースと表現されるその口当たりは、他国のウイスキーと異なり刺激が少なく飲みやすい。
値段も700mlで1000円台と手ごろで、ウイスキー初心者にとっては手を出しやすい格好のウイスキーである。

しかし、独特な香味が好きなウイスキーマニアの中には、その飲みやすさがかえって物足りないと感じる向きも少なくない。
スコッチやバーボン、ジャパニーズのようなウイスキーを差し置いて、カナディアンを飲もうと思う方は少数派だろう。

カナディアンウイスキーの発展

日本ではあまり大きく取り上げられることがないが、
アメリカでは、カナディアンウイスキーが広く飲まれている。
アメリカ人たちは、自国にアメリカン、バーボンウイスキーがあるにもかかわらず、
カナディアンウイスキーもまた愛しているのだ。
そうなったきっかけとして、アメリカの禁酒法の存在がある。

18世紀の後半、カナダでは過剰生産された穀物を使って、製粉所が蒸留酒、ウイスキーを作り、アメリカへと販売していた。
その頃のカナディアンウイスキーは「one day whisky」と呼ばれる劣悪な品質だったと言われている。
蒸留後の熟成を行わず、数日で出荷をするという状況を聞けば、それがおよそウイスキーと呼ぶにふさわしくないことが納得できよう。

しかし、1920年にアメリカで禁酒法が施行されたことにより、カナディアンウイスキーに転機が訪れる。
それまで、アメリカのウイスキーと言えば、自国のアメリカンウイスキーか、輸入されたアイリッシュウイスキーが主流だった。しかし、禁酒法によってウイスキーの生産・輸入が禁じられたため、アメリカ・アイルランドのウイスキー業界は大きな痛手を被ったのである。
当然カナディアンウイスキーも輸入禁止の対象であったが、隣国であるが故に密輸が容易であり、アメリカ国内で大量に消費されていったのである。
禁酒法が解かれた後も、アメリカ国内で生産されたウイスキーが市場に出回るまでには時間がかかっため、劣悪な「one day whisky」と呼ばれていたころに比べて格段に品質の上がったカナディアンウイスキーが人々に評価され、その人気を確かなものにしたのである。

カナディアンの香味の特徴と魅力

カナディアンウイスキーが他国のウイスキーと異なる風味を持つのは、蒸留の仕方に秘密がある。
蒸留の段階で、原料がトウモロコシが主体の蒸留酒と、ムギ主体の蒸留酒とを別々に造り、これらを熟成前に混ぜ合わせることで香味のバランスを調整しているのである。

トウモロコシ主体のものがベースウイスキーと呼ばれ、個性が抑えてある分飲みやすく、全体の9割ほどを構成している。残りの1割がムギ主体のフレーバリングウイスキーで、これがベースウイスキーに加わることで、カナディアンらしい香味が完成する。これらの比率は各銘柄ごとに変動するため、物によってはフレーバリングウイスキーの比率が2割を越えるものもあるという。

フレーバリングウイスキーの代わりとして、香味液としてブランデーやワインを用いることがある。
またウイスキーに存在している香味をスパイスで強めたスパイスウイスキーなどもあり、フレーバーウイスキーの幅が広いことも特筆すべき点だろう。ただしこれらのウイスキーは、ウイスキーらしい香味とかけ離れているため、賛否両論である。

カナディアンの香味の魅力と、おススメの銘柄。

カナディアンクラブ(C.C.)

カナディアンウイスキーと言えばこれ。
ネットでもリアルでも、とにかくおススメされる一本であるが、敢えて取り上げる。
白いラベルの6年熟成は700mlで1200円ほど。バニラのような香りがあり、味わいも最初のアルコールの辛さが抜けた後にしっかりとした甘さが感じられる。バーボンウイスキー(特にその中でも甘めのもの)が好きなら、間違いなく好きになるだろう。
黒いラベルの12年熟成は700mlで1600円ほど。値段こそ数百円の差だが、ホワイトラベルで感じたアルコールの刺激が優しくなり、味わいが確実にアップデートされているのが分かる。

どちらもロックかストレートで飲むことをおススメしたい。
水割りやハイボールでも構わないが、ぼやけた味わいになってしまうことは避けられないだろう。
二つ同時に買っても3000円程度なので、熟成年数による違いをじっくり比較してみても良いかもしれない。

アルバータプレミアム

アルバータプレミアムは今年日本で新発売された、シングルライウイスキーである。
製造元であるアルバータ社は1958年に設立、1980年代に日本で協和発酵を介してアルバータスプリングを販売していた。

スコッチのシングルモルトが大麦100%であるように、こちらはライ麦100%のウイスキー。
C.C.のような飲みやすさとは少し異なり、ライ麦の香りがふくよかに、リッチに、口の中に広がる。
しかし、一般的なライウイスキーとも異なり、おだやかなカナディアンらしさもある。
例えるならまるでチョコのような甘みと濃厚さ。
750mlで2000円程度と、こちらも手を出しやすい。

また、アルバータダークバッチという1%シェリー樽熟成の原酒をブレンドした、ほのかにフルーティさがあるアルバータも同時発売している。

【番外編】クラウンローヤル・ノーザンハーベストライ

こちらは少しプレミアムなカナディアン。
750mlで6300円ほどと、プレミアムバーボンと同じくらいの価格設定。
ジム・マーレイ著のウイスキーバイブル2016で最高得点を獲得したことで多くのウイスキーファンが注目しているホットなカナディアンウイスキー。(さすがに半年経った現在は少し落ち着いたか。)
ライウイスキーの中でもかなり華やかな部類で、ちょっとこれを基準にしてしまうとライウイスキーの平均的な香味がズレてしまう。
なので是非、いろいろなライウイスキーを嗜んだ後で、ハーベスト・ライを味わってみてはいかがだろうか。

にわかに広がるカナディアンの波

バーでカナディアンウイスキーを頼んだところで、二種類くらいしか置いていない店が多い。
これは何も店側が悪いわけでも消費者が悪いわけでもなく、
ただ、日本においてカナディアンウイスキーがメジャーでないだけの話なのである。

それに対して北米の市場では、カナディアンの銘柄を非常に多くを目にすることが出来る。
無論、カナディアンウイスキー隆盛の歴史には、アメリカの多大なる影響があった。
けれど、これだけ流通のしっかりしている時代なのだから、もっと日本に普及してもいいはずである。
消費者がライやカナディアンにもっと触れられる、そんな世の中になってもらいたいものである。
多種多様なウイスキーが評価されている現代だからこそ、クラウンローヤルのノーザンハーベストライや、アルバータのようなウイスキーが、今後も新製品として続いていって欲しいものである。

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