カテゴリ: カクテル・その他

気温の高い初夏に、飲みたくなるミントジュレップ

筆者はウイスキーが大好きで、オールシーズンでウイスキーを飲んで酔っ払っているのだが、
バーに行くと必ず、さきがけの一杯はカクテルを頼むことにしている。
夏になると、ファーストオーダーではミントジュレップが飲みたくなる。

グラスに小さじ2杯の砂糖、同量程度の水又はソーダ水、裏面を少しなぞって香りを出したミントの葉を4枚ほど入れる。
砂糖を溶かすようにそれらを混ぜ、クラッシュアイスをぎっしりと詰め込んで、バーボンウイスキー60mlを注ぎ、よくステアする。最後にストローを二本挿して、ミントの若芽を乗せて完成。

極めて簡単なカクテルだけれども、ちょっと暑くなってきたくらいから無性にこのカクテルが飲みたくなる。
正確には夏というより、5月のGWが明けた頃。気温がだんだんと上がり始め、ミントの香りがとくに強くなる時期。
その時期のミントは旬を控えた「初摘みミント」と呼ばれ、香りを楽しみたいカクテルに使うのにうってつけのミントとなるのだ。

5月の頭と言えば、ケンタッキー州でケンタッキーダービーも開催される時期で、そのダービーでの出走馬入場の際に、ミントジュレップを観客全員で飲みながらMy Old Kentucky Homeを合唱するという慣習があるという。そんな異国の文化に一人お辞儀をしながら、バーでのひと時を過ごすのが好きなのだ。

そんな筆者の個人的春夏シーズントップのカクテル、ミントジュレップは意外と日本での知名度が低い。

アーリータイムズやメーカーズマークが公式でアルコール30度くらいのリキュールを出していたり、
前述のケンタッキーダービーでのオフィシャルドリンクとして採用されていたり、
カリフォルニアのディズニーランドにはミントジュレップバーというワゴンがあってそれなりに人気だったり(ウォルト・ディズニーがミントジュレップを好んで飲んでいた)と、アメリカでは結構な市民権を得ているが、海を跨いだ日本では、からっきし普及しない。

モヒートが普及しているのだから、もう少し人気が出てきてもいいのに。などと一人思っていたりするのだが……。

ウイスキー好きによるミントジュレップ満喫のススメ

さりとて知名度は低くても美味しいものは美味しい。
人が知らない分優越感に浸れる部分も少しはある。
バーボンが持つ穀物とオーク樽由来の甘さに、ミントの清涼感が相まって、
モヒートとは違った飲みやすさがあるのだ。

家で手軽に作れるカクテルではあるが、クラッシュアイスとミントを入手するのがいささか面倒。
だからバーでさきがけの一杯として頼む、なんてシチュエーションがしっくりくるカクテルだ。
好みのバーボンがあれば、それで作ってもらうこともできる。
種類の多いバーボンの中から、ぜひとも自分好みのミントジュレップを見つけて欲しい。
(銘柄を指定しなくても、作り手ごとに使うバーボンが違ったりして、それを眺めているだけでも楽しめる。)
ミントジュレップをさきがけの一杯に提案するのには、もう一つ理由があって、
そのあとの一杯に何かを挟まずとも、バーボンのロックに移れることが大きい。
馬繋がりで、ブラントンをオーダー。なんて、毎度お馴染みの流れになっていたりする。


話を戻して、個人的にオススメなミントジュレップのためのバーボンを列挙したい。

ジムビームブラック

ジムビームブラックで作れば、ナッティな華やかさとしっかりとした甘みが、ミントの芳香に押し負けずなバランスを保たれた一杯に。

メーカーズマーク

メーカーズマークで作れば小麦由来のまろやかさがしっかりと活きていて、雑味なくスルスル飲めてしまう。
(個人的には大好きな銘柄)

フォアローゼス

ケンタッキーダービーとかけてフォアローゼスという選択肢もある。
(ラン・フォー・ザ・ローゼスという通称や、ダービー優勝馬にバラのブランケットをかけることから)
フォアローゼスの花を思わせるような芳香とミントが合わさって、非常に香り高い。
※画像のシングルバレルだと少々高価なので、スタンダードのものかブラックラベルあたりを頼もう。

アーリータイムズ

アーリータイムズで作れば、スタンダードなミントジュレップの味わい。
ケンタッキーダービーの際にミントジュレップの記念ボトルが発売されるなど、アメリカでは公式的な人気を誇る。


もちろん、これ以外のバーボンや、意趣を変えて違うウイスキーで作る選択肢もある。
その辺は自分で開拓していくと面白いのではないか(アメリカン、カナディアンのライウイスキーや、スモーキーなブレンデッドスコッチなど)

またミントの種類、時期によっても味に差が出てくるので、気をつけたい。
大概はペパーミントで作られるが、スペアミントとの併用をしても面白い。
5−6月の初摘みミントと夏に咲く花が落ちた8月以降のミントでは、やはり風味の強さが違うため、
晩夏になったら、香味の柔らかなバーボンに切り替えるというのもいいだろう。
ミントにこだわりのあるバーテンダーであれば、その時期にあったバーボンを提案してくれるかもしれない。

ミントジュレップの多様性をもっともっと説くならば、そもそもウイスキーベースでなくても良い、ということを伝えなくてはならない。
そもそもバーボンウイスキーが広く飲まれるようになったのはアメリカ南北戦争の後であり、それまでアメリカ南部で飲まれていたミントジュレップは、モヒートのようにラムベースであったり、ワインやブランデーをベースにしたものが飲まれていたという。
だから、極論を言ってしまえば、バーボンウイスキーという垣根を越えて、ミントジュレップを楽しんでみるのもアリなのである。
実際、ミントジュレップのバリエーションカクテルには、ジンベースのジンジュレップ、ラムベースのラムジュレップ(モヒート)、ブランデーベースのジョージアミントジュレップなどがある。

余談だが、ケンタッキー州とヴァージニア州が、ミントジュレップの起源を主張しあって争っていたりする。前者はケンタッキーバーボンを用いるからケンタッキーが起源だと主張し、後者はジュレップの語源であるペルシャ語の「グルアーブ」(バラの水)がフランスに渡って、アメリカ南部に伝えられ今に至るとすると主張し、どちらも論を譲らない。
それだけアメリカ人にとってはこだわりの強い、土地に根ざしたカクテルなのである。

これを機に、カクテルのベースにこだわってみよう

カクテルなんて、混ぜてしまうんだからどんな銘柄でも味は変わらない、などと軽んずる事なかれ。
ベースにこだわるようになると、カクテルの世界はググッと楽しくなる。
ウイスキー好きの諸兄はまずはミントジュレップから。
ハイボールの銘柄を変えるように、自由にこのカクテルを楽しんでもらいたい。

さて、今宵の一杯目はミントジュレップに決まりだ。

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編集部 岡田悠吾

ウイスキーが深まる季節がきました。

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