2016年前半の発売のオフィシャルウイスキーの中で気になったものをまとめてみた。

2016年ももう後半戦。 いい区切りなので、今年前半に発売されたオフィシャルのウイスキーたちの中で個人的に気になったものを紹介していきたい。

2016年 オフィシャルで出たウイスキーは結構多い。

2015年もオフィシャルで多くの面白いウイスキーが出たが、
2016年もまた、その兆候が強まった。
カナディアンやクラフトバーボンなどでも動きのあった2016年前半のボトルの中で特に気になったものをピックアップしてみた。

1月

グレンフィディック21年 レゼルバ

700ml 40%で25,000円
ヨーロピアンシェリーとアメリカンオークの樽で熟成された原酒をブレンドし、
カリビアンラム樽で4ヶ月、フィニッシュ(後熟)。
ラムフィニッシュ由来のイチジクやトフィーのような香味とトロッとした口当たりが特徴。

グレンドロナック ピーテッド

700ml 46%で6,500円
ボトラーズではピートの利いたものが幾つかあったが、オフィシャルとして飲めるのは珍しい。
グレンドロナックの本来持つフルボディでスパイシーな甘さに、ピートが加わることによって、ほろ苦さと香ばしさが加えられていて面白い。

2月

スキャパスキレン

700ml 40%で6,400円
16年の終売と切り替わるように発売されたノンエイジのスキャパ。
香味はスキャパらしいバーボンオーク由来のバニラ香を引き継ぎ、華やかで飲みやすい。その上で、味わいが複雑になり飲みごたえが増した。

バランタイン17年 スキャパエディション

700ml 43% 9,000円
2012年に好評を博したスキャパエディションのバランタインの再販。
公式のテイスティングコメントにはパイナップルのような香りがするとある。
言われてみれば、そんな味わいもする。
南国感はさておいても、スキャパの特徴を伸ばしたバランタインは、本当に美味しい。
一口目の印象で、「あ、スキャパだ」とはっきり分かる。

ザ・マッカラン エディション No.1

700ml 48%で15,000円
8種類のカスクタイプのマッカランを用いた、オフィシャルらしい手数でヴァッティング。
全体的にビターで、えぐみ、苦味、酸味などの一般的にネガティブな印象を持たれやすいボトル。
マッカランとしてこの味わいが必要かと言われると少し疑問だが、個人的には面白い一本だと感じる。
年末にエディション2が出る予定。

ラスト・グレート・モルト

ラストグレートモルトには、すでに発売していたアバフェルディの他に4つのモルトが存在する。
日本以外では既に発売されていたが、日本向けの正規品は今年が初めて。

デュワーズ社が所有するモルトで、デュワーズの要となるブレンデッド用であったため、長らくオフィシャルのシングルモルトとして発売されてこなかったが、
近年のシングルモルト需要に後押しされ、満を持して販売される運びとなった。


クライゲラヒ13年

700ml 43%で5,300円
かの有名なハイランダーインという宿とバーが近くに蒸留所がある。
香味はナッティーかつクリーミーで、干し草のような香りもする。
ホワイトホースのメイン原酒の一つで、飲んでおくべき個性のあるモルトの一つだろう。

ザ・デヴェロン 12年

700ml 40%で4,800円
青みがかった曇りガラスのボトルがおしゃれ。
香味は青リンゴのような爽やかさの中にスパイシーさが感じられる。
非常に飲みやすい。

ロイヤル・ブラックラ 12年

700ml 40%で5,600円
朝に飲みたいと思えるような爽やかなウイスキー。
ファーストフィルのシェリー樽で熟成されたため華やかさもある。
ロイヤルの名を冠することを初めて英国に許されたウイスキーでもある。

オルトモア12年

700ml 46%で5,000円
果実味豊かで甘みのあるモルト。
バーボンらしい樽香もして余韻も綺麗。静かに主張する部類に入る。

3月

グレンモーレンジ ミルション

700ml 40%で12,000円
後熟に重きを置いているグレンモーレンジらしく面白いフィニッシュ。
ポルトガル産赤ワイン樽へ移す際、糖分が残ったままの状態で樽の内側をチャーすることで、スパイシーかつ華やかな甘さを兼ね備える一本となった。
香味としては豊かな甘い香りでキャンディーのようである。モーレンジらしい熟れた果実のような甘酸っぱさが徐々に口に広がる。

富士山麓 樽熟原酒50°

700ml 50%で1,000円(オープン価格)
1,000円代のウイスキーのジャパニーズではコスパがいい部類にあるのではないだろうか。
アルコールの辛さは気になるが、酸味と同様に甘みも見られ、熟成感があるように感じる。
安かろう悪かろうではなく、安くても美味しいものを作ろうという気概が見える一本である。

ワイルドターキー17年 マスターズキープ

750ml 43%で20,000円
本来長熟が難しいと言われているバーボン(10年ほどが限度)を17年もの間熟成させたもの。
長熟のバーボンらしく絹のようななめらかさと表現される口当たりで、じわりとした甘さ、シナモンのようなスパイシーさに酔いしれることができる。

アードモアレガシー

700ml 40%で3,000円
香りは存外甘さがしっかりしていて、軽妙なスモーキーさが立ち上ってくる。
アルコールの辛さとともにしょっぱさが現れるが、その奥にちゃんと甘さも感じられる。
全体的に軽い印象があるが、そこが個性でもある。

5月

アルバータプレミアム

750ml 40%で1,800円
原料にライ麦を100%使用したシングルライウイスキーのアルバータが日本でもやっと発売される。
カナダではライウイスキーの権威として高く評価されている。
ライ麦オンリーだとちょっとクセが強いのでは、と敬遠するかもしれないが、
飲みやすく、程よいスパイシーさが香ってくる。
骨太のライウイスキーというより、
カナディアンウイスキーとして優等生な味わいだ。

アルバータダークバッチ

700ml 45%で2,800円
フレーバリングウイスキーという、カナディアン独特の制度の結果誕生したユニークなウイスキー。
100%ライの原酒に、バーボンのオールドグランダッドと、シェリー酒がブレンドされている。
サバンナの夕やけのように赤々としたその色味は、全体の1%を占めているシェリー酒によるもの。
そのシェリーに引っ張られるようにフルボディな味わいが広がっている。

アードベッグ ダークコーヴ

一般向けが700ml 46.5%で17,000円
この他にアードベッグコミッティー版で度数の高いものが存在する。
スモーキーだが甘く、コクがある。
ダークシェリー樽で寝かせていて飲みごたえはバッチリ。
近年、アードベッグデイになると登場する限定ボトルの新作ということで、アードベッグのみならず多くのモルトファンに注目されていたボトルである。

6月

ウエストランド アメリカンシングルモルト

700ml 46%で8,200円
アメリカでも珍しいシングルモルトで作られたクラフトウイスキー。
伝統的なスコッチのシングルモルトに対して、挑戦を続けていくことを掲げている注目すべき蒸留所。
ピーテッド、シェリー、アメリカンオークの3種類が発売されているが、人気が高く、
現在ピーテッド以外を飲めていないため詳細な感想は避けておきたいが、これからも注目していきたい蒸留所だ。

総評 見どころのあるボトルがいっぱい!

各価格帯でバランスよく動きがあり、それぞれ特徴的なモルトが発売されたと言えよう。
ちなみに価格に関しては執筆当時(2016/7/15)時のものなので参考までに。

個人的にはバランタイン17年のスキャパエディション、グレンモーレンジミルション、アルバータ ダークバッチが好印象だった。特にカナディアンウイスキーは今後もっと日本に進出してきて欲しいものである。

オフィシャルの動きが活発になってきたため、ウイスキー市場が今後も大きく盛り上がっていくことに期待したい。
その代わりとして、年数表記を取り下げ珍しさや個性の探求に振っている点はやはり見逃せない。
原酒不足が叫ばれる中、それでも消費者を楽しませようとする心意気があると捉えるべきか、
若い原酒に不似合いの、悲惨なプレミア価格での争奪戦を生む懸念があるのではと警戒するべきか、
その判断はみなさんにお任せするが、
色々な考えを巡らせてしまう商品展開であることには違いない。

一ウイスキーファンとしてアンテナをしっかりと張り巡らせつつ、
これからも限りある原酒たちを皆と一緒に楽しく飲んで行きたい限りだ。

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