カテゴリ: ワイン

シャンパーニュは札幌味噌ラーメン!?

前回「シュワシュワワインのガイド」として5つのポイントを書きました。

そのときには「瓶内二次発酵、ソレ以外、甘口の3つで良い」としました。

で、書き終えた後にふと、
「もしかして、みんなシャンパーニュ(シャンパン)以外の事を知らない=シャンパーニュ以外はなんとなく買わない」
という状況もあるんじゃないか?
そう思いましたので、様々な試行錯誤の末、味噌ラーメンで例えて瓶内二次発酵ワインを大雑把にわかるようにしておこうかなと。

結論からいえば、シャンパーニュとソレ以外の国の瓶内二次発酵というのは「札幌味噌ラーメンと他県の味噌ラーメンの差」ぐらいにしかありません。

それよりも味や値段という意味では各ワイナリ・・・ラーメンで例えるならそれぞれのお店・・・での差の方がヨッポド大きかったりします。

地域の差というのは「トッピングに現地のモノ、例えばコーンとかが乗ってたり地元の味噌を使用するラーメン」みたいなもの。
あとは味噌タレの配合まで含めた職人の技術なのでス。

でも、「味噌ラーメンといえばサッポロ」なので、なんとなく札幌味噌ラーメンって書いてあるお店を選ぶ。
これは「シャンパーニュって書いてあるから、シャンパーニュ地域の瓶内二次発酵ワインを選ぶ」というのと完璧に一致します。

味噌ラーメンは味噌ラーメン。
同じように瓶内二次発酵製法を使った泡ならば似た形になります。

瓶内二次発酵の泡は製法の関係上、ワインの中でも手間がかかり難しい製法であるのと同時に、作り方のレシピがあると比較的似た味になりやすいのです。
(そのためなのか、最もブラインドティスティングするのが難しいのはスパークリングだと言われています)

ついでに、良くブラン・ド・ブランとかブラン・ド・ノワールとか書かれているのを見かけますがそれは
・ ブラン=白ブドウ品種のみ使ったもの。白味噌ラーメンみたいなもん
・ ノワール=赤ブドウ品種のみ(皮は剥いて)使ったもの。赤味噌ラーメンみたいなもん
です。
(実際には泡ワインも「合わせ味噌」の方が多い)

これまで、「品種を覚えなくてもいい」「細かいアレコレは抜きで構わない」としてまいりましたが、今回は少し品種についても話してまいります。

また、今回は「瓶内二次発酵(トラディショナル方式)で作られた泡」のお話です。

細かいとことか甘口微発泡とか混ぜちゃうと、独自製法とか出てきちゃってわかりづらくなっちゃうのよネ。
そして、見分けやすいように英語表記も太文字でつけておいたので、この記事を見ながらお店を眺めてみてネ。

では、様々な国の泡ワインを見てまいりましょう!

大手シャンパーニュ(フランス)

いきなりドン・ペリニヨンであります!

というわけで、Champagneと書いてあるワインから。
以前にも書きましたが、

「泡の出るワインとはスパークリングワイン。シャンパンというべきなのはシャンパーニュ地方で作られた規定の云々かんぬんを満たしたもののみを指す」
ものです。ワイン初心者本みたいのに定番で良く書いてあるにもかかわらず、未だに
「シャンパン開けるから呑みにおいでよ!」
と聞いて行ってみたら今回の特集でとりあげる「シャンパーニュ以外の似た製法のものだった」なんて逸話が後を絶たない。

そう、シャンパーニュという文字はいわば「伝統的札幌味噌ラーメン」なのです!
札幌発でもないのに札幌名乗ってたら「それは違うゾ!」と地元の人が怒るワケ。
シャンパーニュの表記はそれとおんなじ。シャンパーニュ以外をシャンパーニュっていうと向こうの人が怒る。
なにせ、国レベルで「作り方に細かい規定をしている国の名誉品」なのです。
松阪牛A5と国産牛じゃ違うってトコロかしら。

また、大手とわざわざ書きましたが何か違いがあるのかと言いますと
「フランスの大手シャンパーニュメーカーの規模は他と比べても相当でかい」
事があげられ、量もかなり作っていたり。
特徴として、大手ならではの安定感と何よりPR能力でしょう。
プレゼントにぴったり。

こちらはルイ・ロデレール社のクリスタルというワインの箱。

中身もクリスタル瓶でロシア皇帝が云々という逸話がありまして、なんか凄い感じがします。

その情報力の凄さで大体みんな買ってる感じも……。
様々な豪勢さがあって、ワイン界隈においても最も「セレブな気分になれる」のは味がどうであろうと、この大手シャンパーニュを置いて他にありません。

大手シャンパーニュのネックは同時に、その豪勢さや大手企業すぎる所からくる値段の高さ。

モエ・エ・シャンドン(ドン・ペリのずっと格下版)でも5000円、そういえばアクセトリー内でもヴーヴ・クリコのイエローの記事がありましたがあれも5000円以上。
量産品の割にお高くなっている節があって、大手の場合はドン・ペリニヨンぐらいの格のグレード……

一万円以上といっていいのかな、高額ワインから色んな人が語るようになります。
故に「うひゃぁ、泡ワインって高い世界なんだなぁ!」と尻込みされている。

でも、安心してください。
ここからはずっと値段が下がります。

小規模シャンパーニュ(フランス)

大手シャンパーニュが「東京にも出店してカップ麺まで出してる、すみれみたいなお店」だとすれば、こちらは「札幌内にだけ店舗構えてるようなお店」です。


・生産量の少なさ
・人件費などが少ないから安くできること
・そして何より「自社畑のみで作っていることが多い」

点で大手とは区別できます。

人はそれを、Recoltant-manipurant(レコルタン・マニピュラン)と呼びます。
正確にはレコルタン・マニピュランの意味とは「自社畑のシャンパーニュですよ」なんですが、大体そうしてるのは小規模生産者なのでイコールで考えられています。

大手に比べると生産量が少ない分個性的で、買い付けコストや量産性や人件費が少ないため、安いと3000円ぐらいから買うことが出来ます。

グッとお値段が低くなる・・・・・・のと同時に、一部の「神の造り手」とされちゃってるような人達を呑もうとすると途端に希少性の為にドンペリなんぞ3本以上買えるわ!ワーッハッハッハ!!みたいな値段になることも。

また、ラーメン屋で小さなお店という事は頑固親父な店主がいるワケでして、親父さんの個性が強く出ます。
そのため「うへぇ、このオッサン偉そうにしてるくせに美味しくねぇや・・・・・・」みたいな事が起こることも。
知名度がない理由がそんな所にあったりもするので意外と注意が必要です。

因みに、シャンパーニュにおいては使って良いブドウの種類が決まっています。
それがシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエです。
それぞれの味までは全く覚える必要ないです。味噌ラーメンにおける味噌の種類みたいなもんだと思ってください。

クレマン(フランス)

では、シャンパーニュ以外でフランスは泡作ってないの?というと作ってます。

CREMANT DE ~~(クレマン・ド・~~)というのがそう。
~~の部分が地域名。この写真の場合はボルドーの泡という事になります。
ある意味では旭川味噌ラーメンみたいな感じで、同じ国内なのですが地位とか法的な制限は全然違うのがポイント。

クレマン・ド・~~とついている場合は基本的に瓶内二次発酵であるものの、使って良いブドウが地域によって全然違います。
地元の味噌を使っているって感じ。なので、品種については省略!

概ねクレマンの場合は5000円あればお釣りがくるでしょう。安いと1000円台です。

が、クレマンの場合地域や作っている人によってかなり味わいにバラつきがあり、ご当地性が高いので
「この値段でシャンパーニュの味が呑める!」
みたいには滅多にならないのは注意。
ぶっちゃけ、他国よりもシャンパーニュとは別口の味わいな事が多いぐらい。

その分、カジュアルに泡を楽しみたい、シャンパーニュが好きになれない人にこそ良いスタイルかと。

カバ(スペイン)

スペインバルブームの為に、シャンパーニュの次に知名度があるのがCAVA(カバ)でしょう。

(ちなみに、カヴァと書く人もいますが読み方上カバのが正しいらしいのでダサいけどカバ表記します)
フランスと地続き、遠いけど思ったよりは近いスペイン。仙台味噌ラーメンみたいなポジションかな。

実はカバもスペインの規定によって定められた決まり事があるタイプのワインです。
なので、カバなら100%瓶内二次発酵してます。

そのクセ安いというのが大受けし、カバは市民権を得まくり、
「1000円で呑める本格シャンパーニュ!(製法)」
みたいな形で普及するワケであります。

が、実は使って良いとされている品種がマカベオ、パレリャーダ、チャレロ、ピノ・ノワールとなっていてシャンパーニュとはかなーり違うのです。

ほぼ完璧に地元の品種使ってます。これら品種は泡ついてないワインを探す方が難しいぐらい。
大幅にシャンパーニュに比べて安い理由のひとつはこの「品種が地元モンだから」だったりします。
秋田味噌と秋田の名産をたっぷり使ってるぜ!というわけですからそりゃ札幌味噌ラーメンとは本来的には味が随分と違うハズ。

なので、意外と独自性があります。
独自性の中では(カバ同士で見れば)味が安定はしているモノの「あんまり感動しない泡」みたいな普及ゆえのつまらなさを感じている人も。
実は高級カバも世の中あるんですが、安いイメージがつきすぎちゃって余計に手が出されていない可哀想さもあったり。

ところで、今回の記事で初めて(私の記事としては)ブドウ品種にふれています。
初心者の皆さんはブドウ品種を覚えろ!と言われてきたかと思いますが、シャンパーニュとカバの差は比較的「ブドウが違うと味が違うんだな」と理解しやすいでしょう。
品種ごとの特徴、みたいなマニアックな話ではありませんよ。
あくまでも「ブドウが違うと味が違う」という超初歩。
これを製法は似てるけどブドウは全然違うシャンパーニュとカバから感じ取って「ブドウ品種って面白いな!」と
上の小規模シャンパーニュの安いのとカバの安いの、合計5000円もしないで買える事もあるので是非お試しあれ。

フランチャコルタ(イタリア)

イタリアのシャンパーニュ!みたいな紹介をされがちなのがFRANCIACORTA(フランチャコルタ)。

何を隠そう、そもそもの原点が「イタリアでシャンパーニュ作ってガッポリ稼ぐゾイ!!」という企画性をもって生まれたロンバルディア州(ミラノのあるところ)のスパークリングワインです。

「札幌味噌より美味い味噌ラーメン作るゼェッ!!」って始めた信州味噌ラーメン屋ポジション。

ここもイタリアの超めんどくさい法律によって、規定がたっぷりあるのですが、ブドウ品種がシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ビアンコとなっており、更にシャルドネやピノ・ノワール使用率が高いので比較的シャンパーニュに親しいといえるでしょう。

シャンパーニュを超えるイタリアの泡を!と金持ち達が集まって資金力全快に作り始め、オシャレさも追求しブランディングした成り立ちの結果、相場は比較的高め。
小規模シャンパーニュと同じぐらいの価格平均じゃないかと思います。

イタリアワインの中でも「珍しいぐらい法認定されて正解だった」と言われてる程、ブランド力があったり・・・・・・するのですが、日本ではそんなに浸透してない模様。

味の傾向はイタリアーンな濃厚さがありまして、力強い印象をもつ方が多いかな。

ミラノ辺りの地域なのもあってか、シャンパーニュについでオシャレアイテム感および「ちょっと知ってる風」な印象をもたれやすいので、値段の割にプレゼントに使いやすいタイプだとも思います。

濃厚なチーズ系とかとも相性が良い、わかりやすい味が後発ゆえの特徴。

ゼクト(ドイツ)

ドイツだって二次発酵泡を作ってます、それがSEKT(ゼクト)。
そこそこ細かい取り決めがあるんですが、正直なところドイツ全体としてあんまり力が入っていないジャンルといえるでしょう。
ブドウ品種は割りと何使ってもいいんだけど、リースリング種を使ったリースリング・ゼクトになるケースが多いですね。

それと同時に国柄上割りと甘めの味付けにしてある事が多い感じ。
マイナーな九州麦味噌あたり使ったラーメンみたいなマイルドな甘さ。

甘いことが多いので取っ付き易い可能性が高いので、案外初心者向けかとも。
夏場よりも秋口の方が楽しめるかもしれないですネ。

メソッド・キャップ・クラシック(南アフリカ)

なんと南アフリカにはヨーロッパ以外で珍しく規定としてMethode Cap Classique(メソッド・キャップ・クラシック)という瓶内二次発酵の証が書かれています。

瓶内二次発酵だよーというだけの意味合いしか持たない、シンプルすぎる基準です。

しかしながら超後発国故かシャルドネとピノ・ノワールで仕上げてあるケースが多いのが特徴。
(シャンパーニュもこの品種で作られる)

東京出身東京育ちが「北海道旅行したら札幌ラーメン美味かった!俺も札幌ラーメン作るぜ!」と起業した東京味噌ラーメンみたいなポジション。

筆者が今現在南アフリカワイン推しなのもあって、正直オススメ度は高かったり。
カバよりは安くないものの、カバよりもシャンパーニュには親しい品種が使われている点や技術介入による向上が目まぐるしく行われているので「値段以上のお味」の確率が高い!

まさに東京で札幌ラーメンやろうとしてる状態。
歴史を作るのもこれから、と言ってイイ新規参入店に要注目なのです。

その他のトラディショナル(各国)

その他の国でも瓶内二次発酵泡は作ってはいるのですが、特別な法規定などがないので多少見分けがつきづらいです。
一応、Methode Tradeitionnelle(メソッド・トラディショナル)とか書いてある事が多いです。

因みに上の写真はなんとカナダ産。
かと思えば

アメリカ産でしかも、ロデレール社監修の結構お高いものでも「スパークリングワイン」としか記載がなかったりします。
とはいえ、アメリカやチリ、アルゼンチンにオーストラリアにニュージランドに・・・・・・といった新世界とくくられている地域においてもスパークリングワインづくりは行われており、それもシャンパーニュのの会社が技術介入して伝えていたりするので、存外バカにならなかったりします。
製法や味わいの差異などがわかりづらい欠点はあるものの、ここまで読んでくれている方であれば興味を持って楽しんでいただけることと思います。

特に、アメリカ産は技術と資金力が高いので良品には当たりやすいので注目ですヨ。

トラディショナルをカジュアルに楽しんで!

いかがだったでしょうか?
ズラッ!っと色んな国の泡を並べて見てみましたが、結構疲れたかな??
これだけ各国には瓶内二次発酵=トラディショナルな作りでワインが作られているのです。

まず、シャンパーニュだけがシャンパーニュのやり方をしているワケでもないこと、次にシャンパーニュ以外が同じ製法を工夫して作っていること、そしてどれにも美味しいモノが存在する事を知っていただけたら何より!

前回の記事と合わせて、気軽に伝統ある作りのスパークリングを楽しんでいただければと思います。
味噌ラーメンがどこ入ってもハズレが少ないように、スパークリングワインも今回の表記があるものから選べばハズレにくいからネ。

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シンク・P・ノブレス

このライターはフルボディです。http://sinquwine.blog.fc2.com/ 「オタクdeワイン!シンクのティスティングノート」よりやってきた。 「オタクこそワインを楽しめる!」「ワインは萌えだ!」が信条。此方では 「オールユーザー向け地球一わかるワイン入門」 を目指して頑張りまス!ENJOY!!

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