香麦-XiangMai-(シャンマイ)で、クラフトビール×中華のペアリングを考える。

いわゆる生ビールにペアリングはいらない。しかし、クラフトビールは食事と合わせることでもっとずっと美味しくなる。今回は、COEDOブルワリー1000Labo併設の、香麦-XiangMai-で中華料理とクラフトビールのペアリングを考えてみた。

川越駅からバスで20分ほど行った福田という土地に、COEDOビールの原点であるパブ・ブルワリーがあった。そのブルワリーを改修して2015年に作られたのが、COEDO Craft Beer 1000 Labo(ワンサウザンドラボ:以下1000ラボ)と、併設する香麦-Xiang Mai-(シャンマイ:以下香麦)だ。

COEDO Craft Beer 1000 Labo

COEDOビールは、長らくレギュラービールのラインナップを増やさないできた。日本の伝統色を冠した、伽羅-Kyara-、瑠璃-Ruri-、白-Shiro-、漆黒-Shikkoku-、紅赤-Beniaka-の5種類、これを2006年から守り続けてきた。
小規模で様々な種類のビールを造る。昔からそういう発想はあったが、提案としてやりすぎではないかという思いが強かったそうだ。しかし、昨今の飲み手のレベルアップ等の状況を見て、満を持してオープンしたのがこの1000ラボ。

「プロダクションブルワリーの仕事は、基本的に繰り返しで大変です。でも、みんなビールは好きで、そんな中でも新しいものを試したいと思っている。それを20lとかの試験醸造でやるんじゃなくて、1000lくらいの量をみんなで楽しめる場を作ろうというのが、この1000ラボです。」と朝霧社長。
1000lを、1000種類作ろうというのが、1000ラボの由来だそうだ。

そこで作った小規模醸造のビールを、併設の香麦で、クラフトチャイニーズと一緒に味わえるのだ。もちろん、定番のコエドビールも楽しめる。

クラフトビールと中華?香麦からの新提案。

香麦は、1000ラボに併設するモダンクラフトチャイニーズタップルーム。 コエドブルワリーと埼玉県で飲食店を経営するSLBカンパニーのコラボレーションでできたものだ。KIHACHI等でシェフを務めた長瀬さんが、シェフとしてクラフトチャイニーズとクラフトビールのペアリングを提案してくれる。

香麦シェフの長瀬さん。

クラフトビールと中華のペアリングと言うと、驚くかもしれない。いわゆる生ビールと餃子の組み合わせは鉄板だけれど、これがクラフトビールとなると少し違ってくる。行く前は、「いや、中華よりも、洋食の方が合うんじゃないかな」などと思っていた。洋食とクラフトビールの組み合わせはたくさん見るが、クラフトビールと中華なんて見たことがない。

結果から言うと、中華とクラフトビールは大いにありだ。
いや、最高の組み合わせと言った方がいいだろう。

実際に体験した、クラフトビールと中華のペアリングをご紹介!

蒸し鶏のわさびソースと、瑠璃
一品目は、ピルスナータイプの瑠璃と、蒸し鶏のわさびソース。

ピルスナーに負けない胡瓜の味と、わさびソースと爽やかな瑠璃の相性の良さ。もちろん様々な料理に相性のいいピルスナーだが、わさびソースの蒸し鶏との相性は特筆に価する。外国人の方が来た時なんかもおすすめだとのこと。

伽羅とゴマだれ水餃子

二品目は、インディアペールラガーの伽羅と、ゴマだれ水餃子だ。伽羅は香りと苦味をしっかり持ちつつも、後味のキレがとてもいい。

「僕はよく伽羅とゴマ系を合わせたりするんですけど、ゴマの焙煎した感じと伽羅のスパイシーさがよく合います」と長瀬さん。
提案はするけど押し付けはしない、お客さんが好きな組み合わせを見つけてくれればいい、というのが長瀬さんのスタンス。

お次はセッションIPAの毬花と、海老マヨ。

セッションIPAは、IPAのアルコール度数を少し下げたもの。IPAの苦味、ホップの香りを楽しみつつ、何杯も飲めるというビールだ。
「IPAってみんな合わせづらいって敬遠しがちなんですが、甘いものとか、苦い無農薬の野菜なんかを使うと、IPAの香りにも負けないで、お互いに苦味を重複させてくれるんです。」と長瀬さん。マヨネーズの甘みがセッションIPAの甘みを引き出していて、毬花が更に美味しく感じられる。
また、編集部内では「海老マヨにピンクペッパーが新しいのにすごく合う!
」と大好評だった。

白と酢豚

ヴァイツェンの白と、酢豚。

これ、普段食べているような酢豚とは少し違い、黒酢が際立ってまろやかな味わいを感じられる。その中に、グリルされた野菜と豚肉があって白ビールとベストマッチする。無濾過の白には少しスモーキーさが残っていて、グリルと合うのだ。

紅赤とトマト麺

COEDOの原点でもある、オリジナルプレミアム・エールの紅赤と、トマト麺。

上に乗っているのは、”クラフトビーフ”。COEDOビールの搾りかす(麦芽のカス)を食べて育った牛だ。八角の下味がしっかり付いていて、ビーフ自体がとても美味しい。(普段はチーズが乗っているらしい)。
オリジナルプレミアム・エールの紅赤は、さつまいも由来の甘みが残っているので、トマトの酸味と引き立てあってくれる。

漆黒とCOEDOアイス

そして、デザートに漆黒とCOEDOアイス。

COEDOアイスは、レギュラービール(瑠璃・伽羅・漆黒・紅赤・白)の5種類を使って作られたアイス。ビールの心地よい苦味がアイスにあって、大人の味だ。そして、その甘みをシュバルツタイプの漆黒のロースト感が引き立ててくれる。スタウトタイプがアフォガードみたいなあとを引く甘みなのに対して、シュバルツはすっと切れていく。だから、アイスもシャーベット・ソルベのようなこのタイプにとても合うのだ。
実は裏メニューだそうだが、言えば出してくれるかも・・・?

とっておきの梅雨セゾンを、とっておきのグラスで。

最後にいただいたのは、アメリカのストーンブルーイングと、ニュージーランドのガレージプロジェクトとコラボレーションした梅雨セゾン。こちらは期間限定で少量しかなかったため、おそらくもう飲むことはできないが、こう言った期間限定のビールや、他社と共同で作ったビールが楽しめることがあるのも、香麦の魅力だ。

おわりに

今までのいわゆる「生」は、食事に合うビールだ。およそ味の濃い料理であれば、ほぼ万能と言えるだろう。いわゆる生ビールに合わないものなんてほとんどない。どんな食べ物であっても、あの苦味と爽快な炭酸が洗い流してくれる。
しかし、だからこそワインでいうマリアージュのような、1+1が3にも4にもなるような幸福な体験はしてこなかったように思える。

それに比べて、クラフトビールは万能とは言い難い。ホップの香りが強すぎて料理を邪魔してしまうものもある。個性が強いから、難しい。その代わり、しっかり料理とマッチした時には「生」の何倍もの美味しさが生まれる。

我々は、クラフトビールが美味しく飲めるだけで満足していたのではないだろうか。クラフトビールはワインさながらに食事との組み合わせで美味しさが何倍にもなるものだということを改めて認識させてくれた。

小江戸川越の観光の際は、ぜひ足を伸ばしてほしい。

今回お話を伺った香麦 -Xiang Mai-様の店舗情報はこちら。

営業時間は、月曜、火曜定休日 {祭日は営業}、年末、年始休業

水曜~金曜 ランチ11:00〜14:30 LO 15:30 CL
ディナー17:00〜21:00 LO 22:00 CL
土曜、日曜、祭日11:00〜21:00 LO 22:00 CL
{ランチタイム 11:00〜15:00 LO}

詳細はこちらのサイトでどうぞ。

キリンビールが手掛けるブルーパブ「スプリングバレーブルワリー」への取材記事もこちらから読んでみてほしい。

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