超音波の力で酒を熟成? -ソニックデキャンタの真価はウイスキーにありー

超音波をかけることで若いお酒でも熟成酒のようになるという「ソニックデキャンタ」。超音波ってなんだか怪しげだが、実際はどうなのだろうか?試してきたレポートをお届けしたい。

ソニックデキャンタとは何か?

ソニックデキャンタとは、アメリカのクラウドファンディング「kickstarter」で1400万円もの資金を調達した、ワインツールである。

「超音波の振動により、細かい気泡でワインを撹拌することで、酸素を抜くため、劣化することなくわずか20分で味と香りを変化させられる」という。

通常のデキャンティングでは「酸素に触れさせること」でワインの味を変えるのに対し、こちらのソニックデキャンタでは「酸素を抜くこと」でワインの味を変えるのである。

実際に試してみた

広尾にある「バー霞町嵐」。

それが今回「ソニックデキャンタ」を試させてもらった場所だ。
(以前にもこちらの記事で取材にうかがわせてもらった。)

ソニックデキャンタ、見た目はこのようなスタイリッシュな形状。

操作方法は極めて簡単、水を入れてボトルをセット、ボタンを押すだけだ。

まず最初に試したのはこちらの「ワンカップ大関 大吟醸」。
言わずと知れたカップ酒の大定番だ。

デフォルトの状態のものと、10分超音波を当てたものと、20分超音波をあてたものとで三種類をのみくらべた。

結果は非常にはっきりとしたもので、カップ酒の雑味、えぐみが消え、米由来のまろやかさがきわだつものになった。

次に試したのは、大定番コノスル。
こちらはコノスルでもすこしいい「レゼルヴァ エスペシャル」シリーズのメルローだ。

もともとタンニンすくなめでフルーティ、飲みやすいワインだが、ソニックデキャンタをかけることでさらにマイルドになった。
熟成した、というには少し無理があるかなとは感じたが、タンニン、渋みが減ったのは間違いない。

特にワインを普段あまり飲みなれていない人には、非常にオススメだ。

ただ、華やかで、いいかえれば”わかりやすい”ワインになる一方で、深みや複雑さ、奥行き(ともすればこれらは”飲みにくさ”につながるが)は減っていくように感じられた。

一番劇的にかわったのがウイスキーの「デュワーズ ホワイトラベル」

1500円ほどの安めスコッチの中では結構お気に入りの銘柄なのだが、雑味のある感がぬぐえないのが値段相応といったところ。

こちらも10分、20分でためしてみたが、見事に雑味、ピート香が消え、樽の香味やブレンデッドらしい甘い香味が際立っていた。
もともとスコッチにしては甘めのデュワーズの個性を引き立てた形となった。

無論12年物のようなふくよかさはないし、複雑さもないが、非常に飲みやすくなっていた。

一方で残念だったのはアフターが短くなってしまったこと。
デュワーズのアフターを印象つける「ナッツのようなまろやかな香味」と「ピートのスモーク香」が薄れてしまったのである。

メリット・デメリット、それぞれあるけど

ガジェットとして非常に面白いな、というのが結論だ。

酒だけではなく、醤油やみりん等にも使えるというし(醤油の場合は煮切ったような効果がありそう)、酒飲みだけではなく料理好きにもお勧めできそうだ。

ただし、安直に「超音波の力で熟成!」と言い切るのはすこし語弊があるだろう。

前述したように、ソニックデキャンタにかけたデュワーズホワイトラベルと熟成物のデュワーズは根本的に違う飲み物だし、コノスルに至ってはそもそも熟成しない。

飲みやすくなるのは間違いない。お酒をあまり飲みなれていない人には非常にオススメできる。

あと、高いワインにこれをかけたらどうなるか気になるので、試してみた方は教えてほしい。

西麻布、銀座のバーで試せる

10/28日までの期間限定ではあるが、西麻布の「Bar 霞町 嵐」と銀座の「Bar eterna」で試すことができる。

「Bar 霞町 嵐」フレッシュカクテルが非常においしいお店。
地下鉄の広尾駅から徒歩十分ほどの閑静な地域にたたずむバーだ。

「Bar eterna」は新橋から徒歩四分の位置にあるバーだ。
(筆者はまだいったことがないが……)

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